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《ある朝の朝食》
ベーコンエッグ+レタス
トマト、オレンジ、ヨーグルト
サラダ:酢玉ねぎ、しめじ、レタス、乾燥トマトのオリーブオイル漬け、人参
もう一皿 : 燻製イワシのトマト煮、レモン、レタス
コーヒー(2杯/1人)
チョコクロワッサン


「これから朝食は僕の担当にするわ」

ある時から毎朝決まったように朝食を作ってくれるようになった。
最初はどうしていいかわからず、私のすることの見よう見まねで
ただパンを焼き、簡単なサラダを作り、コーヒーを淹れるだけだった。
(あっ、いつものヨーグルトもついていたが)
パンはたいていの場合、私が焼いておいたパンだった。
勿論 和食の場合もあるが、次男が就職し完全に家を離れた時から、
なんとなくパン、コーヒー、サラダの簡単な洋食になった。

男の人は何事も凝りだすと、
(主人だけかもしれないが)自分が納得するまで試行錯誤を繰り返す。
例えば、コーヒ豆の一人分の重さ。
私はいたって単純明快。
以前手に入れたお気に入りの計量スプーンで豆をすくい、トントントンと豆が
一定の高さになるように軽く缶の横をたたき整える。あくまでも大雑把。目分量。
それから豆をグラインドし、コーヒーをセットする。
しかし、彼はそれではおさまらない。
しばらくの間、毎日豆の重さを変えては味比べをし、自分がおいしいと感じるグラム数を探り当てようと試みる。どんな時も、ほとんど全て自分の作りたいものを数量化しようとする。最後には納得のいく数字を探り当てる。
スケールを必ず使い、探り当てた数字どうりに作る。
なるほど、常に、味は一定。誰が作っても同じ味になる。
一番最初に教えた素麺つゆの作り方などは ほぼ完璧に近いと言っていいほどである。
"数字を探り当てる"ことが満足らしい。

「でも、…」と、私。
多少の味の変化、その日の気分、手元の狂いなどいろんなことが加味されて生じる
(?)味の微妙な差がおもしろいのだが…
でも、文句は言えない
毎朝、作ってもらっているのだから。
その間、ゆっくりと庭の水遣りができるのだから。

この朝食がいつの間にか進化し、最近では最初の写真のようなものになってきた。
ある日、3年前のイギリス旅行でのB&Bの朝食について話してからだ。
「ようし、一回挑戦してみるわ。目玉焼きを焼くのもおもしろいし」
その一言で、今もなおこの形の朝食が続いている。
イギリス旅行の時も思ったのだが、
このB&Bの"フル・イングリッシュ・ブレックファースト"は、ボリューム満点、
結構満腹する。お昼はいたって簡単でいい。



"毎日が日曜"の身分になってから、朝食時間は長くなった。
なんやかやとその時々で思っていることを、お互い口に出し話すことが多い。
今日は最近の参議院選挙、都知事選挙のこともあり、なぜか話題は『憲法』に。
「そんなぁ〜」と思いつつも話に耳を傾けていた。


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一昨日あまりの暑さに、
涼みがてらに欲しい本を探しに行ったブック・オフで偶然見つけた憲法の本。
主人は話し始めた。

「作者が言うには、
今の大学、特に法学部でも憲法をきちんと教える授業がないんやて。
司法試験を目指す学生たちが憲法をきちんと習っていない。
そら恐ろしいことやわ」

本の帯に次のように書かれている。

憲法は主権者である国民のものです。
その憲法の力が政治家によって弱められ、
ないがしろにされているー
そうした非常事態なのに、国民がこんなに
平成でいられるのはなぜでしょうか。
私は「みんなで憲法の話をしてこなかった
からだ」と考えています。

自分が受けた教育をふり返ってみた。
「 日本国憲法」としての授業を正式に受けたのは、大学一回生の時のみだった。
教職課程を選択するための必修科目の一つだった。
でも、一年間を通して習ったのは『憲法第九条』だけであった。
講師は今は亡き、故土井たか子さん。
国会議員になる直前、大学の非常勤講師として働いていた。

彼女は言った。
「憲法全体の概略を知るのも大切ですが、一年間という期間はあまりにも短い。
この限られた時間の中では、最も大事な第九条だけに絞って講義します」

その結果、憲法第九条は知っているがその他のことはほとんど何も知らなかった。
基本的人権、主権在民は知っていたが、前文はきっちりと読んだことすらなかった。
改憲論議が身近に迫ったいま、
あらためて憲法の内容をきちんと知らなければならないと思う日々である。

戦後70年余り、憲法や昭和史の授業を(意図して)避け、教えなかった結果であると、
残念でならない。
終戦直後生まれの71歳(昭和20年生)を筆頭に、日本国民の大半が、自国の憲法である日本国憲法を詳しくは知らない、またどうして日本が戦争に突き進んでいったのかという歴史に関する知識も全くと言っていいほど持ち合わせていない。
戦争を実際に戦った経験者たちの多くはすでに亡くなってしまっている。
私にいたっては、内外を問わず好きなスパイ小説や歴史小説の類を読んで初めて
知ることが多いという情けない状態である。
全くもって嘆かわしいばかりである。

「朝食時の話がこんな話題とは…」と思いつつもいや大事な話でもあると。

主人が読んだ後、話の受け売りだけでなく、私も実際に読んでみようと思った
朝食時の二人の会話だった。



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# by PochiPochi-2-s | 2016-08-05 20:20 | 思い | Trackback | Comments(8)
「ハイジ」の故郷

"国境のトンネルを越えると、そこは雪国だった"
川端康成氏の小説「雪国」の書き出しの部分である。"氷河と雪の純白の世界"、"日差し眩(まばゆ)い花と緑の丘陵"、その全く異なる二つの"世界"を一つのトンネル、アイガー=トンネルが結んでいる。
暗黒の隧道(ずいどう)の向こうに新しい世界が広ける ー 期待と不安の交錯する一瞬である。


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「お父さんッ、歩きたいッ…」
「お母さんッ、歩こうッ…」
登山電車は、アイガー=トンネルを越え、クライネ=シャイデック駅に着いた。
真夏というのにやわらかい陽光。清々(すがすが)しい山の空気に誘われて、子供たちはもはやその気になっている。ハイキング=コースの入り口からは、グリンデルワルトの町並みが一望できる。素晴らしい眺めに私たちの足はすでにお花畑に…。
道の両側には、色とりどりの草花が、所狭しと咲き乱れている。放牧された牛たちの水飲み場が小川のあちこちにある。右手には、アイガー北壁の岩肌が立ちふさがっている。
アニメ「アルプスの少女」ハイジの世界そのものである。



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「私たち、休暇(ヴァカンス)でロンドンからやってきました。お宅は(ヨーロッパの)どちらからですか」
"子連れ"旅行者はめずらしいのか、「駐在員」家族と間違えられたらしい。ロンドンに駐在する日本人若夫妻がなつかしそうに声をかけてきた。
「(苦笑)いえいえ、私たち日本からやってきたんです。15時間もかけて…。ロンドンからだとスイスは近いでしょう」
「ええ、飛行機で2時間です。でも…15時間で日本に帰れるのですね………」
若い奥さんの目は少し涙に潤(うる)んでいるようだった。
"ホームシック"、それとも海外生活の気苦労…?
私たちにしてみれば羨望(せんぼう)の的。だが、実際は大変らしい。
「15時間で日本に……」奥さんの感情の微妙な変化を感じてか、先を歩いていたご主人、ふり向いていたわるような眼差し。
「お会いできて嬉しかったです。さようなら」
何度も何度も振りかえって、子供たちに手を振る二人を見送り、私たちは顔を見合わせ溜息(ためいき)をついたのだった。




「グーテン=アーベント」(こんにちは)
マックちゃんモッちゃんを見て満面に笑みを浮べたご夫婦、肢体に障害のある子供さんを抱きかかえてのハイキング。前日妻たちが頂上に登った時は、車いすでの観光客雪上散歩をしていたという。我息子、その光景を食い入るように見つめていたとか。
「おばあちゃん(75才、多発性関節リュウマチで歩行不能)も車いすで来れるかな…」
「ウン……」
心身に障害のある人の行動範囲は制約されていることは、洋の東西を問わず、言うに及ばない。
だが、駅やその他の施設・設備に身障者の利用も含めた配慮がなされている点は、日本とは少し事情が違う。
「身障者用トイレ」「身障者用エレベーター」「優先座席」などとのことわりもなかったように思う。



「あれっ、この計算書おかしい。一泊分(130フラン=1.7万円)少ない」
おばあさんにいくら説明しても「三泊」分だという。一旦部屋に引きあげ、日記をもち出し再び説明。
「宿泊地名」欄の「グリンデルワルト」の数を数え、やっと彼女は納得。
追加分(130フラン)のレシートを私に手渡し、「追加訂正の申し出なんて初めて」と。何度も何度も「ダンケ」(ありがとう)を繰返す。爽やかな心でチェックアウトできた。(続く)




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# by PochiPochi-2-s | 2016-08-04 18:05 | 「四人ぽっち」欧羅巴 ズッコケ家族の旅 | Trackback | Comments(4)

8月のカレンダーより

8月に入り今日で3日目。
今夏は不安定な天気が続き、全国のいたる所で 突然の天候の急変が見られる。
突然の予想を超えた大雨、その大雨に引き起こされた災害。
「いったいどうなっているのかしら」と思わずにはいられない。

昨日朝、ツクツクボウシの鳴き声を聞いた。
一瞬耳を疑ったが、よく聞いてみても間違いはなかった。
ツクツクボウシだった。
「まだ8月が始まったばかりよ。夏の本番はこれからですよ」
心の中で、そうつぶやいてしまった。


【8月のカレンダーから】

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Nickさんの8月のカレンダー
岩峰下のお花畑


学生時代、よく登っていた山々のお花畑を思い出す
どこまでも高く、青い空
急峻な岩場
その急な地に這うように咲く高山植物
暑い、大阪の夏
ドアが開け放たれた西向きの玄関に
一陣の涼風を送り込んでくれるように思う

♪ 夏の山行く 人の心は
高嶺の花に 咲いて語らん

思わず口をついて出たこの歌
よく歌ったものだった




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JR東日本のカレンダー
五能線を走る電車


今は30才を過ぎた次男が小学校高学年の頃、
青春18切符で
この五能線に乗りたいと
綿密な計画を立て
夏休みにお父さんと二人で
大垣夜行を使っての青春18切符電車の旅を実行した

「あいつとのこの五能線の旅が今でも一番の思い出だ」
このカレンダーを見て主人はつぶやいていた。




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絵の教室の片山先生の8月のカレンダー
ムギセンノウ


アグロステンマ 、ムギナデシコとも呼ばれ、
花の姿形、風情に惹かれ
以前庭に植えたことがあった。
いつの間にか自然と消えてしまったが、
この先生の絵を見て
もう一度植えてみようかなと思った。


さあこれからが夏本番。
このカレンダーといっしょに
暑い夏を乗り越えようと思う。



# by PochiPochi-2-s | 2016-08-03 10:44 | 日記 | Trackback | Comments(6)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s