ツルウメモドキ
朝の片付けが終わりちょっと一休みした時だった。
四国に住む学生時代の友人・T君からのメールに気がついた。
今末期の肺がんと闘っているN君(やはり学生時代の友人・山仲間)の病状を知らせてくれるメールだった。
昨年末、ほんの少しだけれど快方に向かったと聞き安心していたのだが、再び悪い方へ一段階進んだらしい。
コロナ禍でなければ何人かの仲間で励ましに出かけられるのだが、再びオミクロン株の急激な感染拡大で
行くこともできず、ただ気持ちだけが重く沈む。
そんな気持ちを吹き飛ばしたく、今日は朝からほぼ1日中ツルウメモドキの絵を夢中になって描いていた。
「頑張れ!」と何度も何度も心の中で彼に呼びかけ、励ましていた。
結婚もせず独身で通してきたが、両親の介護、看取りを最後までやり抜き、やっと自分のこれからの生活を楽しむ
ことができるようになった今、彼に肺がんが見つかった。
しかも末期の第4ステージ。
こんなことってあるだろうか。
生きて、少しでも命を永らえてほしい。
そんなことを思いながらツルウメモドキの絵を描くことだけに集中していた。
でも、絵はこの重い気持ちを軽くはしてくれなかった。