第1回目は『検察側の証人』(前編)だった。ワクワクしながらその時間を待った。
来週の後編がとても楽しみになるような内容だった。
アガサ・クリスティを好きになったのはいったいいつ頃からだろうか?
昔は彼女の本をよく読んでいたし、テレビで放映されたポワロシリーズはことごとく全部見た。
何度も何度も繰り返し見たし、いつ見ても新鮮で何かしら新しい驚きがあった。
ドラマを見ているうちに、特別印象深い、アガサ・クリスティ好きの二人の人を思い出していた。
一人は、もう20年以上も前のまだ大阪市内に住んでいた頃の英語サークルの仲間Hさんだ。
梅田にある紀伊国屋の年に一度か半年に一度の本のバーゲンセールで
アガサ・クリスティのペーパーバックを買いだめ、
読んでしまっては住んでいるマンションが狭いからと友人に譲っていた。
アガサ・クリスティのミステリーのいったい何が彼女を虜にしたのか、
その当時 取り憑かれたように次から次へとアガサ・クリスティだけを読んでいた。
結婚以来海外生活が長く、彼女の英語力は抜群だった。
彼女だからこそ読めるペーパーバックだと思い、その当時 ほとほと感心したものだった。
私も2〜3冊譲ってもらい、いちおう読んでみようとはした。
英文は短く簡潔で読めないことはなかったが、
英語のことわざや比喩が多く使われ読みこなすには難解だった。
その時の私の英語力ではとても読みこなせないものだったので、
一度も読みもせず本棚に並べ、いまだにそのままである。
今どのような暮らしをしているのだろうか。
まだ以前の場所に住んでられるのだろうか。
ご主人はギリシャから戻ってこられたのだろうか。
今の家に引っ越してきた頃、2人のお嬢さんたちはどちらもパリに行ってしまい、一人暮らしになったと
聞いたことがあった。
元気にしておられれば、今はもう82〜3歳。
今でも紀伊国屋の本のバーゲンセールに通い、ペーパーバックを読んでいるのだろうか。
もう一度会って話をしてみたいなぁと思う人である。
もう一人は、熱烈なアガサ・クリスティ ファンのイギリス人、マーガレット・イングランドさんである。
6年前長年の友人リさんを訪ねてイギリスのウェールズ州カーディフに一人旅をした。
カーディフでリさんと過ごした後、
ダートマスにあるアガサ・クリスティの別荘グリーン・ウェイに行きたくてトーキーを訪れた。
そのトーキーで ひょんな出来事から偶然彼女と知り合った。
アガサ・クリスティが大好きで、アガサクリスティの本は全部持っていて、
TV映画のDVDやリスニングテープやCDも全て持っている。
家にいる時は、四六時中そのリスニングテープを聞きながら掃除や料理をしている。
アガサ・クリスティから全く離れている時は、会社で仕事をしている時だけだ。
彼女はそう言っていた。
「世の中にはこんな熱烈なファンもいるのだなぁと彼女の顔をしげしげと眺めながら話を聞いたものだった。
偶然の出会いとはいえ、
最高の相手と一緒にアガサクリスティの別荘まで冒険の旅をできるとはなんと幸運なのだろう。
それにしても性がイングランドとはおもしろいなぁ。
中西部出身者にはイングランドをいう姓が多いのかなぁ。
そんなことを考えながら
Green Way Halt駅からアガサクリスティの別荘グリーン・ウェイまでの森の中の道を歩いていたのだった。
上高地・小梨平を思い出させるような雰囲気の森だった。
マーガレットさん夫婦と別荘を見学しながら過ごした時間はいつまでも私の記憶の中に残っていることだろう。
私にとってはたった1日だったがすごい冒険の旅だった。
これから始まるBSアガサ・クリスティのドラマシリーズ。
この二人の印象深かった女性やアガサ・クリスティの別荘、そこへ行くためにわざわざ日本で予約までして乗ったボート、
そのボートがついた桟橋、人々の様子、とキーの美しい海と町などを思い出しながら楽しむことだろう。
刑事フォイルが終わって少し寂しく思っていたので、また新たな土曜日夕方の楽しみができ、少しウキウキしている。
🏊♀️ 🏊♀️ 🏊♀️
やっと楽に泳げるようになってきた。
若い高校生は今日初めて「最近は水泳が楽しくなってきた」と
少し照れくさそうに笑いなからコーチに言っていた。
多分彼は続くだろう。
そう確信した。
何でもいい、自信を持つことができれば、若者は前に向かって力強く進む。
そうあってほしいと強く願っている。