「神様のプレゼント」

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枯れ芙蓉とセンリョウに絵を描くのに疲れ、いつものように本を手に取った。
沢木耕太郎『銀河を渡る』
その中に「神様のプレゼント」という題の文章があった。
「あらっ?」
題に心魅かれ、興味津々で読み始めてしまった。

〈旅はもうひとつの「生」を生きるためのものだ、という考え方がある。旅は、一時的ではあれ、「私」をここではないどこかに連れ去り、仮構の「生」を生きさせてくれるものだ、と。
しかし、旅はそうした予期せぬ出来事を期待する「夢見た旅」だけでなりたっているわけではない。「余儀ない旅」をしなくてはならない人にとって、旅は予期せぬ出来事など起こってほしくないものとしてある。〉

エッセイはこの文章で始まり、その後、作者の「余儀ない旅」をした時に起きた予期せぬ出来事について書かれていた。
ひとつは、サーカー・ワールドカップの取材で韓国に飛行機で飛んだ時、濃霧のため韓国の空港に着陸できず、やむなく日本に引き返したこと。
もうひとつはブラジルの奥で、自分の乗ったセスナの墜落事故に巻き込まれ、幸いにも打撲程度で助かったこと。

作者は言う。
「(飛行機が引き返した時) しかし、私には「いいだろう」という思いがあった。これもまた「旅の神様のプレゼント」なのだろう、と。
旅をしていると、そうした不思議な諦観が身につくような気がする。旅は常に予定通りに行くとは限らない。もし予定通りに行かないことがあれば、その予定外の旅を楽しめばいいのではないか。予定通りに行かないことに腹を立て、時間を虚しく過ごすのはあまりにももったいなさすぎる。」

* 予定通りに行かない = 「旅の神様」のプレゼント (私の解釈)

「何事においても、予期せぬ何かが起きたとき、それを柔軟に受け止めることのできる自分を作る必要があるような気がする。もしかしたら、旅はそうした自分を作ることを手助けしてくれているのかもしれない」

読みながら思い出していたことがあった。
ずいぶん前に始め、まだ途中で止まったままになっている「ズッコケ家族の旅」である。
この時の旅行のスタート時に、まさにこの「余儀ない旅」の「予期せぬ出来事」が起こったのだった。
伊丹発成田乗り換えでヨーロッパに旅立つはずだった旅行、デンマークから始まる予定だった旅行が、成田が濃霧のため私たちの乗った飛行機が着陸できず、伊丹に引き返してしまったのだった。*その時の詳しい記事はこちらに →
引き返してから再びその日のうちに成田に行くまでの手続き、慌ただしさは今でもはっきり覚えている。
しかし今ふと振り返ってみると、なぜこんなことが起こるのかと腹立たしくもあった反面、その時間を楽しんでいたようにも思う。
伊丹-成田間のJALや旅行会社との交渉がうまくいき、その日のうちに再び成田まで行くことができ、空港内のホテルに着いた時は、「これで明日朝には出発できる」とほっとひと安心したものだった。その喜びは何物も変えがたいものだった。
羽田から成田までは、JALの思わぬ計らいでロンドン行きの国際線に搭乗させてくれ、しかも親切なパーサーが優しい笑顔で子供達に話しかけてくれ、珍しいおもちゃとおいしいお菓子をプレゼントしてくれたのだった。伊丹で国際線搭乗の手続きをし、成田で再び入国手続きをしたという今でも忘れがたい思わぬハプニングで始まった旅行だった。

ひょっとしたら、このことも「神様からのプレゼント」だったのかもしれないなぁ。
ぼんやりとそんなことを考えていた。

千両だけでも描いておこうと黙々と絵に向かい、出来上がったのは夕方だった。

夕食は久しぶりに中華風煮込みハンバーグにした。


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Commented by pallet-sorairo at 2019-01-09 09:16
「旅の神様のプレゼント」
旅行中の海外でこんなことがあったら
たぶん私は大パニックです!
国内だったら許容範囲はあると思うけど
けっこう楽しんでしまう方かも(^^ゞ
で、枯芙蓉のほわほわはこれで終わりではないんですね?
Commented by jarippe at 2019-01-09 15:35
千両もですがフワフワいい感じに描かれましたね
流石だなー って眺めたものです

柔軟な心持 対応が出来るようになりたいですね
年を取ると頑なな考え方になりがちですから
物の見方考え方を柔らかく四方八方から見られるようにしたいです
Commented by PochiPochi-2-s at 2019-01-10 10:27
☆ pallet-sorairoさん

おはよう♪
昨夜お返事をとPCを開けてみたら、エキサイトが全く使えず遅くなりました。
今日は大丈夫なようですね。

まあ人それぞれかな。
ズッコケの時、最後の最後までハプニングがありました。
ヒースローでアエロフロートが来ず、8時間も待たされました。
何度問い合わせても帰ってくる返事は「delayed 」のみ。
仕方ないと、空港の中で遊んでました。
今のヒースローのようではなく、もっと鄙びた感じだったのでよかったですが。
8時間ごやっと飛んできたアエロフロートでしたが、一言の謝りも言い訳もなかったです。

ほわほわ。
昨日先生に聞いたのですが………でした。
自分で何とか描こうと思っています。
試行錯誤かな。
でも、これがまた楽しい???

Commented by PochiPochi-2-s at 2019-01-10 10:32
☆ jarippeさん

エキサイト、おかしかったですよね。
で、今になりました。

そうですか?
昨日先生に聞いたのですが、返事は…………でした。
試行錯誤で気にいるまでやってみます。

難しいことですが、常に遊び心を持ってかな?
Commented at 2019-01-10 11:06
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by hanamomo60 at 2019-01-10 15:46
こんにちは。
今日も素敵なエッセイを拝見でき、うれしいです。
>「何事においても、予期せぬ何かが起きたとき、それを柔軟に受け止めることのできる自分を作る必要があるような気がする。もしかしたら、旅はそうした自分を作ることを手助けしてくれているのかもしれない」
本当にそう思います。
予期せぬ事もそんな風に受け止められたらもっともっと人生を楽しめますね。
しばらく旅をしていない私にとってはこうしてネットで遠くの皆さんと会えるブログのたびもなかなか乙なものと思っています。
千両きれいですね。そして枯れ芙蓉の質感が余りにもよく表現されていてすごいな~と感心しました。

ゆうべはエキサイト動かなかったですね。
一度眠って起きたらなおっていて、保存していた記事を送信しました。
中華風のハンバーグも美味しそうですね。
Commented by PochiPochi-2-s at 2019-01-11 09:05
☆ 鍵コメントさん

ふふふ。同じです。何度も同じところをぐるぐる。時間がかかります。
喜んでいただいて本人も大喜びです♪
わざわざありがとうございます。

いやー、なかなか。難しいです。

ハンバーグのようですが、種に白ネギの白い部分と生姜のみじん切り、卵、片栗粉
が入っています。まずはライパイで両面を焼き、あとは煮込みます。
・合挽きミンチ 300g、白ネギ20g、生姜 少々 (分量は好み)、卵 1 (割りほぐしてから
水 大さじ4を加える) 醤油小1、塩小1/4、砂糖 大 1/2、胡椒少々、酒大 1で味付け。
・煮込み用スープ
醤油 大2、砂糖 大 1、酒 大 2、胡椒・化学調味料 少々スープ300cc。
私は簡単にYOUKIの鶏ガラスープ(無添加・顆粒)を使っています。
時間があればどうぞ。
なお添える野菜はなんでもOK。
青梗菜の時が多いですが、この日はたまたま ほうれん草ともやしがあったので。
Commented by PochiPochi-2-s at 2019-01-11 09:14
☆ hanamomoさん

寒いですねぇ。
秋田は今日も最高気温が3度だとか。
慣れておられるでしょうが気をつけてくださいね。

いいでしょう?
沢木耕太郎、大好きなんです。
「ネットで遠くの人たちと会えるブログの旅」
そっか〜と思いましたよ♪ momoさんならではですね。
いつか自由に旅をすることができるようになった時、思いっきり楽しんでくださいね。
個人旅行もよし、パックツアーもよしだと思います。
私はどちらも好きです。

ありがとうございます。
でも、枯れ芙蓉なかなか難しいです。
先生に聞きましたが、………でした。自分で諸侯錯誤するしかないようですね。

中華風ハンバーグ。↑の鍵コメントさんへ詳しく書きましたので、時間があればお試しください。
Commented by PochiPochi-2-s at 2019-01-11 09:21
☆ 鍵コメントさん、

再び。忘れていました。
卵をとき水を加えたあと、片栗粉 大1 1/2 を混ぜ合わせ、そこにネギと生姜のみじん切り
も加え、ミンチと合わせて練りこみます。あとはフライパンで両面を焼き、お鍋でスープと
一緒に煮込みます。
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by PochiPochi-2-s | 2019-01-08 23:22 | 思い | Trackback | Comments(9)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s