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マンサクを描きながら

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少し色をつけてみたマンサクの花



マンサクという名は、春先、山で一番早く咲くことから「まず咲く」と言われ、その言葉が変化したものだと聞いている。この細い黄色いリボンを解いたような花びらが好きで、この花を見るたびに描きたいと思う花である。
マンサクとシナマンサクの2種類がある。
これまでにどちらの花も何度か描いている。

2週間前の絵の教室でも、見た途端に描きたくなり、マンサクを選んだのだった。
しかし、なぜかもうひとつ気が乗らず、描く気がしないまま時間だけが過ぎて行った。
昨日の朝、ついに描かなくてはと思いはじめ、なんとか少しだけ色をつけてみた。
やはりなんとなく構図が気にいらないし、見ていてどことなく気持ちが落ち着かない。
結局 午後からコンサートに出かけ、絵はそのままになっていた。

今日水泳の後、午後から再び絵を取り出し、デッサンを変えてみようと試行錯誤を繰り返した。
描いては消し、消しては描く。
その繰り返しをしているうちに、昨日のコンサートのことを再び思い出していた。
昨日のブログにも書いたのだが、
チェロ奏者、ルイジ・ピオヴァノ東北の人たちへのコメントの言葉を思い出したのだった。
「私の故郷のイタリアのアプルッツォも大きな地震の被害に遭い、友人を亡くしました。
皆様の心に寄り添い、演奏を捧げます」
彼が弾く、1710年に制作されたアレッサンドロ・ガリアーノから流れ出る音は、柔らかく心地の良い音だった。もともとチェロの音は楽器の中で一番好きな音であるが、その優しく、美しく響く音に魅せられてしまったのだった。

「心を込めて、思いを馳せて弾く」
心のこもった演奏がどれほど聴く人の心を感動させることか!
このチェリストが弾いた『赤とんぼ』の曲の音色の美しさは筆舌に尽くしがたいものであった。
心の奥底にまで染み渡り、深く感動した。

絵を描くこともきっと同じことだろうと思った。
同じ花を描くにしても、「この花が好き、描きたい」と思い一生懸命心をこめて描くのと、
それほどでもなく描くのとでは思い入れが違い、その結果見る人の心に届くような花は
描けないのだろう。
絵を描くのが上手とか下手だとかいうことではない。
描いている対象の花が好きなのかどうか、描きたく思っているのかどうかで、
描かれた絵の印象が変わってくるのではないだろうか。
堀文子の「青いケシの花」を見たときの感動は忘れられない。
この花を見たくて高齢にもかかわらずヒマラヤに何度も足を運び、描いたという。
その一途の思いから生まれる絵はどれほど見る人の心を揺さぶり、魅了することか。

2月に行われた作品展では、自分では全く想像(思い)もしていなかった“(他人の)思惑“を、
作品展までの準備中や開催中に嫌というほど思い知らされ、後味の悪い思いをしたのだった。

私はただ、「対象の花が好きだから描く」、「描きたいから描く」、「心をこめて描く」。
マンサクの絵を描きながら、そうありたいと思った。




Commented by Lynn6 at 2018-03-13 01:51
こんにちは。
マンサクの絵、素敵だと思いました。
そして、“見た途端に描きたい…” このお気持ち、凄いなあと思います。
そこから絵にも思いが溢れているんですね。

Commented by o-hikidashi at 2018-03-13 10:15
先日今度は用事で京に行き帰る前大好きな寺を久しぶりに訪ねました。
建立当初のままでと庭木や花々もごく自然で心が安らぎます。
その時に見かけた山野草の名前がわからず、写真を撮って持ち帰ればよかったとこちらに来て思いました。
訪問してくださる方に植物に詳しい方々がいた!!
先日の絵も皆さまのコメントでわかったし・・・マンサクの花の説明に後悔しています・・・。ーー。
Commented by jarippe at 2018-03-13 11:35
音楽も絵もいろんなパフオ―マンスも同じかもしれませんが
私の絵の先生が モチーフに対して 五感で見なさい
モチーフの生まれ性格感触構造など見えない部分にも想像力を働かせて
よーく見なさいと繰り返し言われました
写真のような絵でなくてもいいから感じ取って描くようにって
難しいことだなー と思ったものです
Commented by sternenlied3 at 2018-03-13 20:09
マンサクは植物園に咲いてます。
黄色と紅いのが。紅いのも綺麗ですよ。
絵を描くにしても、いろんなモチベーションがあるようですね。
私も絵を描くのは好きで、以前よく描いてました。
絵を描くという同じ趣味を持ってるのだから、
絵を描く人と気が合うだろうと思ってましたが、
ライバル意識を向ける人が多くて驚きましたね。
「対象が好きだから描く」、「描きたいから描く」、
「心をこめて描く」。。。共感します。
Commented by hanamomo08 at 2018-03-13 21:16
心をこめて奏でる・・・・・どれだけ人々の心にしみいる事でしょう。
優しい言葉、優しい音、きっと届くと思います。

まんさくは糸がだんだんほぐれていくように咲きますね。
PochiPochiさんの描くまんさくもこれからまた少しずつ出来ていく事でしょう。
ふんわりとした黄色は春の色ですね。
『心をこめる』日々の暮らしの中でも大切なことですね。
Commented by PochiPochi-2-s at 2018-03-13 23:25
☆ Lynnさん

こんばんは。
ありがとうございます。
今日夕方、やっと完成かなと思い、完成とさせました。
わりと性格が激しい(?)のかな、好き嫌いがはっきりしています。
好きな花は、見た途端、何故か描きたくなるのです。
教室で何を描くのか決めるのも早いですね。
即決に近いかな。でもその後、構図を決めるのに四苦八苦。
おかしいですね(笑)
上手にきれいに描かれている絵より、下手でも描き手の気持ちがこもった
絵の方が好きです。
Commented by PochiPochi-2-s at 2018-03-14 07:29
☆ o-hikidashiさん

おはようございます♪
今朝も晴れ。いよいよ春ですね。
私もずいぶん久しぶりに京都に行ったのでした。
最近の京都中心部(?)はあまりにも人が多すぎて、ちょっと敬遠していました。
私の住む街ー京都間は電車で一時間余。
自然と目的地往復になってしまい、ブラブラ散策はないですね。
ちょっとと雰囲気を変えて違う所を歩いてみようかなと、
うららさんの記事を読んでいつもそう思っています。

マンサクの花の説明?
何を後悔してられるのかな???

Commented by PochiPochi-2-s at 2018-03-14 07:37
☆ jarippeさん

おはようございます♪
今朝も晴れ!
いよいよ啓翁桜、ハナカイドウが咲きそうになってきました。

まずは「観察」。そう思っています。
あとは自分の感じたように描く。
植物なので基本的には見た通りに描いていますが、その中でも
動きのある絵にしたいので、あちこちわざと跳ねさせて(?)います。
いくらぬり絵のようにきれいに色をつけても、その人の心(気持)が
反映されていなかったら、私は「いいなぁ」とは思えないし、
どこかで見たような構図の絵だったら、これも「いいなぁ」とは思えない。
下手でも自分なりの構図で自分の感じたように色をつけたいと思っている
のですが………。
難しいですね。
Commented by PochiPochi-2-s at 2018-03-14 07:51
☆ sternenliedさん

おはようございます。
今朝も晴れ。ぐんと暖かくなりました。
啓翁桜やハナカイドウがもうすぐ咲き始めそうです♪

まあsternenlied さんも絵を描いていたのですか?
どうりで画家や絵に関する知識が豊富なんだなぁと思いました。
写真の構図もいつもいいなぁと。

「ライバル意識」
そうなんですよ。今回の作品展、そのことでずいぶん悩みました。
何故作品展をしたがったのか、準備途中でその人の態度でわかってしまい
嫌な思いをしました。他の関係ないクラスの人で、参加させてもらっている
という思いがあればもっと違った態度になるだろうに………と。
その人には「上手下手」の基準しかないようです。
例えきれいに色をつけていても描かれた絵に、その人の気持ち(心)が
感じられなければ、ただのぬり絵にしかならないと私は思っています。
難しいですね。
ただ好きだから描くというのは、ちょっと外れているようです。(笑)


Commented by PochiPochi-2-s at 2018-03-14 09:09
☆ hanamomoさん

おはようございます♪
今日も晴れ、暖かくなりそうです。
啓翁桜、花海棠がもうすぐ咲きそうですよ。

いい演奏会でした。
チェロの音色が優しくて、心に染み入りました。
「赤とんぼ」の選曲も良かったですね。
日本人の心の原風景だと思いますから。

マンサク、やっとできました!
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by PochiPochi-2-s | 2018-03-12 23:37 | 習いごと(絵・水泳) | Comments(10)

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by PochiPochi-2-s