スケートをする人たちと鳥罠のある冬景(購入した絵葉書より)
「あっ、ブリューゲル!」
戴冠式のロープを着たエカテリーナ2世の肖像画から始まり、イタリアルネサンスからバロック時代の宗教画へと続き、少々疲れた時にフランドルの絵が展示されている区画でブリューゲルの絵に出会った。
「スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色」と「魚の市場」の二枚があったが、
「スケートをする人たちと鳥罠のある冬景色」のほうに目がいった。
雪におおわれた村の冬景色。その風景の中で寒さをも吹き飛ばすような、スケートを楽しむ当時の庶民の姿が描かれている。絵をじっと見ていると、楽しそうな騒めきや会話、歓声が聞こえてくるように感じたのだった。
疲れが吹き飛んだ。
[参考までに]
「魚の市場」
Website から拝借しました。
以前からこの
エルミタージュ美術館展にはぜひ見にゆきたいと思っていたが、何かと忙しく機会を逃していた。最終日が近づき、慌ててこの週末にいくことになったのだった。
今年初めての神戸方面へのお出かけだった。
午前中に県立美術館でエルミタージュ美術館展を鑑賞し、三宮でランチ、その後いつものように神戸の街を歩くつもりで計画していた。しかし、急遽夕方の予定が入り、今回は県立美術館のある王子公園(三宮の手前)までとなってしまった。三宮でのランチも神戸散歩もできなかったが好きなブリューゲルの絵に出会っただけでも嬉しかった。
案内パンフレットによれば、
エルミタージュ美術館は世界3大美術館の一つで、収められたコレクションの総数はおよそ310万点だという。絵画だけでも1万7千点に及び、今回はこの膨大なコレクションの中でも特に充実している16世紀ルネサンス、17・18世紀バロック、ロココの時代に活躍した「オールドマスター」の絵画85点が展示されている。
よく知られている有名な絵が多くあった中で、ふと立ち止まりじっと見つめた絵があった。
ベルナルド・ペロットの「ドレスデンのツヴィンガー宮殿」(1752年- 1753年制作)
第二次世界大戦で連合軍の激しい空爆によりドレスデンが一夜にして焼き尽くされ、街中が廃墟になったと、以前この街を訪れたとき現地ガイドが説明していた。
驚いたことにこの絵に描かれたツヴィンガー宮殿は、私の知っているツヴィンガー宮殿そのものだった。
その時ガイドは次のようにも言っていた。
「連合軍の激しい空爆で、一夜にして、破壊され尽くしてしまった街を、戦後、時間をかけてコツコツと見事に復元しました。まるでジグソーパズルを解くかのごとくに。瓦礫の中から元の石を見つけ使えない時は新しい石をはめ込み、残されていた、保存されていたかつての写真や資料をもとに完全なまでに元の建物そっくりに復元しました」と。
私の見たツヴィンガー宮殿もきっとこのようにして復元されたものだろう。
ただ一つ、絵の中の景色が違っているところがあった。
建物の横に噴水の池がなかったことだ。
多分あとから付け加えられたのかも知れない。
懐かしい心に残る場所が再び目の前に現れしばらくの間絵の前に立ちつくくしていた。
別々に自分の思うように鑑賞していた主人も、わざわざ私のところまで来てひとこと言った。
「懐かしいなぁ。それにしてもドイツ人の復元への執念と努力は真似できないなぁ」
思いは同じだったのだろう。
宗教画、人物画、風景画など多岐にわたる多数の絵の鑑賞に終わってみれば2時間はたっぷり過ぎていたが、疲れよりも好きな絵を見ることができた喜びの方が大きく、帰りの電車の中では、普段とは違い、なんとなくお喋りになっている自分に気がついたのだった。
神戸散歩はできなかったが良い時間を持つことができ幸せだった。
最後に。
鑑賞券を買うために列に並んでいた時、高齢の婦人から声をかけられた。
「このチケット一枚余っていますので、もしよろしかったら使いませんか?」
通常は65歳以上はシニア券で半額になるのだが、今回は70歳以上に引き上げられていた。正規の料金を支払うつもりだった私にとってはとっても嬉しいことだったので、ありがたく彼女のご好意をいただいたのだった。見ると招待券だったので無駄になってもと思い譲ってくれたのだろう。
彼女の親切に嬉しく感謝したのだった。
ラッキーだった。
「戴冠式のロープを着たエカテリーナ2世の肖像画」
(パンフレットより)
この記事を書いている時に嬉しい葉書が届いた。
いつも楽しく読ませてもらっているブログ友さんからの写真はがきだった。
かつてすごしたこのとあるハンガリーの冬景色の写真だそうだ。
「まあ、まるでブリューゲルの絵の景色とそっくり!」
気分はいっきに急上昇。
つい好きなメロディを口ずさんでしまったのだった。
ありがとうございました。
美術館の裏は海に面している
隣の建物に映った他の建物の映り込みいつものことながら歪んで見えるのがおもしろかった。
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帰りの電車の中から見た夕焼け(阪急豊中駅近くを走る電車の車窓から)
家の2階のベランダからみた夕焼けよく見ると夕焼けに向かって伊丹空港から飛び立った飛行機が写っていた。(画面右下の雲の中に)