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ブリューゲル「バベルの塔展」

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8月も終わりに近くなり、
日中はまだまだ暑い日が続いているが、朝夕がめっきり涼しくなってきた。
8月最後の日の今朝も、ずいぶん涼しく、水やりの時には長袖長ズボンだった。
つい2、3日前まではタンクトップに短パンだったのにと、我ながら呆れてしまった。

「今日大阪市内まで所用で出かけるから、あんなに見たがっていた「バベルの塔」展に行ったらどうや。近くを通るから自動車で送っていくわ。帰りも迎えに寄るから」

夏が始まった頃、このブリューゲルの「バベルの塔」展 が大阪で開催されることを知り、
見に行きたいとは思っていた。
しかしこの夏の異常な暑さ。
梅田まで電車で行き、そこから美術館まで歩く気にはならず、
多分涼しくなるだろう9月10日過ぎまで待とうと思っていたのだった。
その私の気持ちを知っていたのか、昨日朝の嬉しい申し出(提案)だった。
断わるはずがない。
ふたつ返事ですぐに了承した。

ブリューゲルの絵と初めて出会ったのは、もう30年以上も前、1982年に初めてヨーロッパに行った時で、ウィーンの美術史美術館やベルベレーデ宮殿でたくさんのブリューゲルの絵に出会ったのだった。そしてこれらの絵を見るとすぐに惹きつけられてしまったのだった。

彼の絵は、他の画家の絵とは雰囲気が異なり、色の使い方もまた違っていた。
何よりもそこには当時の農民たちの日常生活が描かれていた。
絵には物語が感じられ、喜びや悲しさ、楽しみや寂しさなどが描かれて、当時の人々の生活の様子、服装、子供たちの遊びの様子などが描かれており、見ていて飽きないし、不思議なことになんだかほっとするものを感じるのであった。
『雪中の狩人』『農民の婚宴』『農民の踊り』等、長い時間じっと眺めていても決して見飽きることはなかった。

その時以来、大袈裟に言えば、ブリューゲルの絵に心を掴まれてしまったのだった。
その後、中野孝次「ブリューゲルへの旅」(文春文庫)を見つけ、夢中で読んだこともあった。
それ故、「バベルの塔」展のことを知った時には、ぜひとも見にゆきたいと思っていた。

最後の最後にこの絵は展示されていた。
それほど大きな絵ではなかったが、色使い、構成、塔の形などに何か圧倒されるようなものを
感じた。
おもしろいと思ったのは、この絵を300%に拡大し、東京芸術大学のグループが寸分たがわず
細部に至るまで正確に模写した絵が隣の部屋に飾られていたことだった。
拡大された絵は本当に細かいところまでわかりやすく、見やすかった。
何度も何度もこの二つの部屋を往復して見比べると、また違ったことが見えてきて、「なるほどなぁ〜」と頷くことも多かった。
さらに、隣の部屋では5分間の映像で「バベルの塔」の絵を解説していた。
解説のあと、もう一度もとの絵の部屋に戻りしげしげと眺め、次に300%の拡大の模写をじっと見つめた。
最後の最後に、このような興味深いおもしろい時間が待っているとは夢にも思っていなかったので、見終わってみると印象深い美術展だった。

思いがけずプレゼントされた豊かな時間。
十分に心は解き放たれ、自由に遊ぶことができた、楽しいひとり時間だった。
ハミングしながら迎えの時間まで待っていたのは言うまでもないことだった。

尚「バベル」という言葉については、旧約聖書「創世記」 には次のように書かれている。
《主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、言われた。
「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させお互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう」
主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。こういうわけで、この町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。》


※ サムライジャパン 、ロシアワールドカップ出場を決める。




Commented by echalotelle at 2017-09-01 06:35
ブリューゲル展でいい時間が過ごせてよかったですね。
芸術の秋が充実しそうですね♪
友人がこの展覧会に行ったそうで、バベルの塔の大きなポスター?の前で撮った写真を送ってくれました。
東京芸術大学のグループの人たちが模写した絵、見てみたいです。
日本も少し涼しくなって過ごしやすくなったようですね。
これからのいい季節、いろいろ楽しみましょう♪
Commented by pallet-sorairo at 2017-09-01 09:09
物語性のあるブリューゲルの画は好きだったのに、
何故かこの展覧会には足が向かなかった私です。
テレビでたくさん取り上げられていたのでお腹いっぱいになっちゃったのかなぁ。
でも、echalotelleさん同様、私も
東京芸術大学のグループの人たちが模写した絵、見てみたかったです。
そんな構成になっているのを知らなかったので残念なことをしました。
先にそちらに行っていてPochiPochiさんのレポ見てたら絶対行ったのに!
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-09-01 22:36
☆ echalotelleさん

こんばんは♪

〉バベルの塔の大きなポスターの前で撮った写真
会場の最後出口の直前にそのスペースがありましたよ。
たくさんの人が順番に横に並んで写真を撮っていましたよ。
最近、このような記念写真を撮る場所が設定されているのを
よく見かけますよ。
東京芸大の人たちの模写は本当に本物そっくりでした!
最後の最後にこんなびっくりがあるなんて思っていなかったので
嬉しかったです♪
もう少しブリューゲルの絵(版画じゃなく)があればよかったのになぁ
と少し残念ではありました。

そう、いい季節を楽しみましょう‼︎

Commented by PochiPochi-2-s at 2017-09-01 22:44
☆ pallet-sorairoさん

まあ、pallet さんもブリューゲルが好きだったのですか?
同類項(笑)がいて嬉しいなぁ。
彼の絵、見ていて飽きませんものね。

残念でしたね!
東京芸大グループの模写、本物そっくりでした。
正直なところ絵が少なく版画が多かったので、ちょっとうんざり
だったのですが、最後の最後でこんな"びっくり"があるなんて
思ってもみませんでした。興味津々で、本物の絵、模写、映像説明と
何度も行ったり来たり。音から思い返すと、めっちゃおかしいのですが
でもその時は夢中で行ったり来たりしてました。
おかしな大阪のおばちゃん(笑)ですね!
Commented by jarippe at 2017-09-02 09:16
バベルの塔 知らなかったです
大きな迫力のある絵なのでしょうね
時代背景のあるものなのかなー・・・・・
勉強不足ですね
Commented by weloveai at 2017-09-02 09:31
 ご主人優しいですね。
奥様の事をよく理解されていて、送迎付きで話を進めて下さるなんて素敵です。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-09-02 22:44
☆ jarippeさん

いや、そんなに大きい絵ではなかったです。
それだけに、東京芸大のグループが300%に拡大し、
正確に模写した絵の迫力は凄かったです。
旧約聖書の話がもとになっていて、ブリューゲルは16世紀の画家です。
その当時に農民の生活をたくさん描き残していて見飽きないです。
機会があればぜひみてください。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-09-02 23:25
☆ weloveaiさん

優しい???
「一緒に行く?」と言われるのが嫌だったかも…(笑)
ちょうど所用ですぐ近くの道を通るから乗せて行ってあげよう
ということに。二つ返事でした。

でも、通り慣れた道は油断がつきもの?
最後の交差点を反対方向に折れ、まるで違う世界に迷い込んだ
ようでした。結果的には行けたのですが。
ナビなんていらないと無視したのがとんだ目に会いました(笑)
Commented by haru_rara at 2017-09-03 14:54
東京で開催されたとき、妹がナイトチケットを買ってゆっくり観て最高だったと言っていました。
私も観たかったです。
ブリューゲルはとても好きなのです。いつかきっと。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-09-04 06:56
☆ haru_raraさん

haruさんもブリューゲルの絵が好きなのですか?
どのようなところが好きなかしら?

東京はナイトチケットがあったのですね。
私もよく使いますがこのチケットはいいですね。
ゆっくり見ることができますから。
土曜日ペアチケットというのもあり、
これも夕方からのチケットでかなり安くなります。

しかし、大阪は今回このチケットがなかったのですよ。
会期も終了に近く、しかも平日だったので会場は混雑してなくて
好きな絵を好きなだけゆっくり見れ、ラッキーでした。

いつか見れるといいですね。
その機会がきっと来ますよ。思い続けていればね (^_-)


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by PochiPochi-2-s | 2017-08-31 23:15 | 絵画展 | Comments(10)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s