「あれッ?流れる風がいつもと違う。
わずかに、ほんの少しだけ肌に感じる冷たさがちがう…
もう秋なのかな?」
朝水遣りをしていた時、山から流れてくる風、空気の中に何かしら冷んやりとしたものを感じ、季節の変わり目を思った。
日中はまだまだ暑く、気温は30度を超すが、朝夕はめっきり涼しくなってきている今日この頃である。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる (古今集・藤原敏行朝臣)
ふとこの短歌が心に浮かんだ。
「風の音」ではないが 「風の流れ、冷んやり感」にそう思ったのだった。
お昼ご飯を食べ終わった時、頭の上で何かごそごそと音がするのを感じ、ふと天井を見上げた。
「あれぇ〜、トンボが天井に…」
庭からトンボが飛んできて、床のフローリングの上で池と勘違いをし、卵を産み付けるような
格好をしているのを毎年見かけるが、天井で同じような格好をしているとは!
白い天井が池のように見えたのだろうか?
日中の暑さに少しだけ涼を取りに来たのだろうか?
「ねえねえ、オニヤンマかな? シオカラトンボかな?」
「いや違うで。オニヤンマにしたら大きさが違うし、シオカラトンボなら色が違う…」
カメラを取り出し、望遠で撮ってみた。
調べてみると、う〜〜ん,難しい。
ヤマサナエかな? ウチワヤンマかな?
主人の友達のトンボ博士のKさんがいたらなぁ。すぐに聞けるのに。
しばらくして再び上を見上げると、もうそこにはトンボはいなかった。
ほんの一瞬だったが楽しい時間をもらったようで、なんとなく心が安らいだように感じたのだった。
もう秋がそこまで来ているのかなぁ。
♧
ひょっとして、期待の矢絣朝顔かも。