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11月、小磯良平「描かれた花々」から始まった

「久しぶりにポプラでランチはどうかな。
11月1日(月)、何か予定がある?
そのあと六甲アイランドの小磯良平美術館に行かないか。
小磯良平の植物画が見たいと言ってたから」

昨夕からの雨も朝6時過ぎには止み、少し寒かったが天気は上々。
ランチをいつもの関学の同窓会館内にあるレストラン・ポプラでとり、
夙川、芦屋川を通り、国道43号線から六甲アイランドに自動車を走らせた。


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以前に一度、この美術館で植物画展を見たことがある。
イギリス・キューガーデンにあるマリアン・ノース ギャラリー所蔵のボタニカル
アートの何点かが展示され、その時同時に小磯良平の植物画も展示されたのだった。
絵を習い始めてしばらくたった頃だったと思う。
ただただ絵の上手さに感心し、このような絵が描けたらなぁと憧れの目で見ていた
のを思い出す。

今回は小磯良平の植物画と牧野富太郎の植物画が展示されていた。
小磯良平の植物画は武田薬品工業株式会社の月間機関誌『武田薬報』の表紙として掲載されたものである。1956年2月号の《オモト》から、1968年12月号の《センキュウ》に至るまでの約13年間、ほぼ毎月欠かさず絵筆を取り、表紙として150点、その後『薬用植物画譜』刊行のために描きなおした作品などを加えると173点もの植物画を描き続けたと、案内パンフレットに書かれていた。

《13年間、ほぼ毎月欠かさず絵筆をとる》
そのエネルギーは凄いものであっただろうなぁと。
とても真似できるものではない。

そう思いながら、展示されていた薬用植物画24点をゆっくりと心ゆくまで鑑賞した。
平日のお昼過ぎという時間帯のためか人も少なく、絵の前で誰に邪魔されることもな
く気のすむまで心おきなく鑑賞できたのはどんなに嬉しかったことか。
時間の過ぎるのも忘れ、気がつくと2時間ほどが経っていた。

パンフレットに小磯良平の制作の様子が書かれていた。
担当社員によってアトリエに運ばれてくる植物を、まず鉛筆で綿密に写生する。
植物の形が細部まで画面にあらわれると、次に水彩で丁寧に彩色していった。
植物が1枚につき、5時間ずつ2日はかかったそうである。1日6、7時間かけても彩色には至らず、その作業が次の日に回ることも多かったらしい。製作中には小磯自身が成功したものから失敗したものまで様々な試行錯誤があり、作品1枚1枚が挑戦だったそうだ。

じっくり見ていくうちに、
観察することの重要さ、写生力の必要さがよくわかった。
牧野富太郎の植物画にも同じように観察力と写生力を感じる。
植物に対する深い愛情がなければ決して描けない絵だと思った。
ああこのようにスケッチできたらなぁと思いながらの2時間だった。


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美術館の中庭


《購入した絵はがきから》
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Website より
小磯良平のヒガンバナ
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牧野富太郎のヒガンバナ
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《ほしいと思い購入した植物画集》
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いつものポプラの日替わり籠弁当(1080円)
コーヒーチケットを印刷し持参したので
食後のコーヒーはサービスだった。
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お昼のランチサービス
日替わり籠弁当
メインは鯛の兜煮

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おいしかった!
近いうちに私も炊いてみようと思った。

ちなみにエビが大好きな主人は
エビフライとハンバーグ、サラダ、スープ、ライス、コーヒー
(980円)


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もうすぐ紅葉が始まるかな


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ここを抜けると時計台のある図書館へ


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新月池近くのイチョウ



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六甲アイランドからの帰り
橋の上から六甲山を見る



Commented by jarippe at 2016-11-02 07:21
本当にじっくり観察するって大切ですね
その生態までも調べ理解しての事でしょうね
根まで描くって優しいなーって思います
Commented by namiheiii at 2016-11-02 12:39
小磯良平と言うと戦争中に描いた戦争や兵士の絵を思い出すのですが、こんな立派な植物画を描くようになったのですね。
Commented by echalotelle at 2016-11-02 19:53
期待通りのいい展示会だったのですね。よかったですね♪
花と実と根っこも描かれているカラスウリの絵が、とても気に入りました。
詳しいレポート、とても嬉しいです。ありがとうございます。(*‘∀‘)
大昔、東京で行われた小磯良平展に行ったときに購入したカタログをよく見てみたら、人物画がほとんどなんですが、植物がもほんの少し載っていました。エーデルワイスとシャクナゲが載っていました!デッサンももちろん、色の乗せ方もとても参考になりますね。この絵をじっくり観察することにします♪
近いうちにブログに載せますね。

イチョウはそろそろ色づきそうな感じですが、まだ緑なんですね。こちらは、もう真っ黄色になりました。おいしいものも堪能で来て、いい11月の始まりですね~~(´▽`*)
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-11-02 20:45
☆ jarippeさん

そうですね。
小磯良平も牧野富太郎も、その観察と写生はすごいものがありました。
鉛筆一本だけでこんなにも描けるのかと、驚きました。

根や球根を描くのもいいですね。
ボタニカルアートの場合は、たいてい根や球根種まで描いていますよ。
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-11-02 20:57
☆ namiheiiiさん

小磯良平が戦争画を描いていたとは知りませんでした。
wikiで調べたら次にような言葉が載ってました。
《良平自身は群像を書くため精力的に戦争画に取り組んだが、
戦後は画集に収録しなかった。戦意高揚のために戦争画を書いて
しまったことに心が痛む、と晩年に語っている》

大阪に本社のある武田薬品に頼まれて機関誌の表紙絵として描いたようです。
じっくり見ると本当に魅かれます。
植物画集を買ってしまいました!
眺めていると楽しいです。
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-11-02 21:14
☆ echalotelleさん

いい展示会だったです!
ほとんど貸切状態で十分楽しめました!
昔のカタログを残しているのですか?
今回思ったのは、色の塗り方、省略の仕方でした。
きちっと塗ることも大事なのですが、省力もまた効果ありかなと。
難しいですね。
思わず植物画集を買ってしまいましたよ(笑)
また中に絵をブログに載せますね。
参考になると思いますから。

echaloterreさんのブログもたのしみです!
Commented by haru_rara at 2016-11-03 10:15
小磯良平は人物がまず浮ぶのですが
植物も素晴らしいですね。
ご紹介くださってありがとうございます。

植物のスケッチをしながら
絵を描かなければこんなによく見ないなあ、といつも思います。
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-11-03 21:53
☆ haru_raraさん

小磯良平は神戸出身で、同じく大阪に本社のある武田薬品の
機関誌の表紙の絵を引き受け描き始めたそうです。
じっとみていると、その観察力の凄さと写生力に凄さに圧倒
されました。

〉絵を描かなければこんなによく見ないなあ、
といつも思います〈
私も同じです。
haruさんの絵はいつもいいなぁ、すてきだなぁと思っています。
描く人の暖かさが伝わる絵ですね。



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by PochiPochi-2-s | 2016-11-01 22:57 | 絵画展 | Comments(8)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s