「行ってくるわ。夕食はいらないから」「気をつけて。みんなによろしくね」
夕方、いつも見ている“エルキュール・ポワロ”シリーズも見ずに、主人は、いそいそと出かけて行った。梅田で、いつもの仲間との飲み会。気心の知れた人たちとの飲み会は話も弾み、楽しいようだ。帰ってきたときの満面の微笑みと声の弾み具合で一目瞭然。「ああ、楽しかったんだなぁ」と。
こんな日は夕食も手抜き。誰にかまうことなく自分のやりたいことをしながら、
自由気ままに過ごせる私にとっての最高の嬉しい時間。
さあ、独りの時間を楽しまなくっちゃ!
ポアロまで、描きかけのセンダンの絵のつづきを描き、その後 ポアロを見る。
「ABC殺人事件」
何度も見ているのだが、見るたびにおもしろく、ついのめり込んでしまう。
終わってふと外を見ると、夕焼けに照らされた雲が目にはいった。
何故か心がワクワクするような美しさだった。
その後再び、絵に。
いつの間にか集中していたのだろう。
ふっと気がつくと7時半だった。
夕食の準備もすることなしに過ごせる自由な、気ままな時間。
最高!
手抜きの超簡単な夕食を食べながら、男子バレーボールの試合をTV観戦。
「たまには独りで過ごすこんな時間もいいものだなぁ〜」
思った矢先、
「ただいま」と帰ってきた。
飲み会がよほど楽しかったのだろう。
今日も上機嫌だった。
「まぁ、たまにはこんな日もいいのじゃないの。
お互い好きなことをして過ごせる日があって」
それから寝るまでの時間、楽しかった飲み会の話を聞き、
私もその場にいたかのような気持ちになれたのもまた幸せなことだと思った。
明日は朝からリョウちゃんがやってくる。
また楽しい日になるのだろうなぁ。