ずいぶん前のことになるが、3月11日朝一番でサーシャからメールが届いていた。
ちょうど体調を崩し、簡単な返事を送っただけだった。
やっと、普段どおりの体調に戻ったので、
彼女の優しい思いやりをあらためて嬉しく思った。
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ハイ、○○ーコ、元気?
今日は tsunami(東北大震災)の日ですね。
今、職場で 震災当日のたくさんの写真やビデオを見ています。
こんなことが二度と起こってはならないと思いながら。
一日も早い復興を願ってます。
あなたもあなたの可愛い孫たちも、みんな元気ですか?
時間があれば写真とともに送ってね。
あなたからのメールが楽しみなの。
私も子供達も、仕事も家庭もみんな上手くいっているわ。
モスクワにも、もうすぐ春が来ます
サーシャ
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彼女のメールにはいつも優しい思いやりがあふれている。
サーシャとは、2009年10月中頃、イギリスのカンタベリーで偶然出会った。
その時以来もう6年半もメールのやり取りが続いている。
この間、彼女にもいろんな出来事があった。
画家であったご主人の突然の死、娘アンナの結婚など、悲しいこと嬉しいこと等、
たくさんの出来事に彼女は遭遇し、その都度雄々しく立ち向かっていった。
今、ロシアは ウクライナ紛争以来、欧米諸国から経済制裁を受けている。
国民の生活にもかなりの影響を与えているはず。
にもかかわらず、彼女のメールはいつも明るく楽しい。
そして、優しい思いやりで溢れている。
「私も彼女を見習わなくては」と、彼女からのメールが届くたびに思う。
今日やっと楽しい返信メールが送れた。
もちろん彼女の望む孫3人の写真も添えて。
どのような顔をしてこの孫たちの写真を見ているのかしら?
どんな返事が返ってくるかなぁ?
遠い遥かな国ロシアの春も もうすぐやって来るだろう。