人気ブログランキング | 話題のタグを見る

見惚れてしまった - 小倉遊亀・103歳 梅の絵 -

見惚れてしまった - 小倉遊亀・103歳 梅の絵 -_b0344816_17172436.jpeg
「紅梅」
103歳、最後の梅の絵
1998年
(婦人画報・3月号より)


「う〜ん、生きている! 力強いなぁ」
しばらく言葉が出なかった。
この絵に見惚れてしまった。
小倉遊亀、103歳の紅梅の絵。

「どのようにしたらこんな力強い絵が描けるのだろうか?」

久しぶりに行った美容院に置かれていた「婦人画報」3月号。
「日本列島 花の旅へ!」の言葉に興味をひかれ、
その雑誌を手に取り、パラパラとめくった時だった。
この絵が目に飛び込んできた。
一瞬にして、惹きつけられてしまった。

記事によると、
31歳での院展入賞、30歳年上の禅徒小倉鉄樹との結婚と死別、自分の病気、養子に
した最愛の息子の死など長い人生の間にたくさんの苦難を抱える中で描き続けたと
いう。禅の世界では厳しい修行に耐え、悟りを開いた境地にたとえられる梅。鉄斎
が愛し、庭のあちこちに植えてふたりで愛でた梅。息子の一家とともに愛しんできた
梅。梅は遊亀の人生の大半に寄り添うパートナーそのものだったという。


見惚れてしまった - 小倉遊亀・103歳 梅の絵 -_b0344816_17174308.jpeg
「無月紅梅」
91歳で描いた庭の紅梅
1986年
(婦人画報・3月号より)



見開き2ページに掲載されていたもう一枚の紅梅の絵にも見入ってしまった。
力強い。生命力を感じる赤い色に心を奪われた。

彼女の創作の源泉は、描きたいと思う材料にぶつかること。
庭を散策し、(孫・健一さんによれば)「必ず咲いている状態で花を見て」、
心が動いたものだけを画室に置いて、夢中で描き続けたという。
また、数ある花々のなかで梅だけを「紅梅さん、白梅さん」とさんづけで呼び、
会話をするように花に語りかけていたという。

梅を描き始めたころから花よりも枝や幹に宿る強靭な生命力に引き込まれ、描きた
いという思いがあって「色、形、自分の心持ちの色合い」に工夫をこらすという。

103歳で、《紅梅》を描き上げたとき、しみじみと語った言葉。
「こんなに穢れのないものは人間には作れない。自然はすごいねえ」

《年をとるほどに深まった梅への思い。描きたい。だから生き抜いた》

“人の思い”ということをあらためて考えさせられた時間だった。



見惚れてしまった - 小倉遊亀・103歳 梅の絵 -_b0344816_17182966.jpeg
《アオギリの実》


小倉遊亀さんの紅梅の絵に感激して帰ったあと、
描きかけのアオギリの実に色をぬってみようと、しばらく絵筆を取った。
“描きたいという思い”をこめて。
見本に置いた本物の果実と比べ、「さあ 描けているかしら?」



Commented by linden2151026 at 2016-02-06 00:49
pochipochiさん、最初見たときに赤いお花もですが、梅の木苔のついた枝にひかれました。ほんまに力強いですね。
103歳で。素晴らしいですね。
pochipochiさんのアオギリの枯葉ほんものと同じですね。
よくとらえてはるわぁ〜
Commented by jarippe at 2016-02-06 07:10
母が晩年 サクラより梅がいいと
しきりに言っていました
・・・・・・
Commented by weloveai at 2016-02-06 13:05
小倉遊亀さんに子供の頃に手ほどきを受けたと言う知人がいました。
それだけでも幸せな方です今も描かれてると思います。。
内なるものを表現するのは難しい事ですね。
Commented by echaloterre at 2016-02-06 13:20
小倉遊亀さんは、日本の画家の中ではいちばん好きな画家です。
遊亀さんの梅、いいですよね。
寒い季節から咲き始める梅、私も桜より梅が好きだな。
ああ、遊亀さんが生きていらしたら、弟子入りしたかったな~(*‘∀‘)

アオギリの葉の絵、PochiPochiさんの描きたいという気持ちが見えるようです。
アオギリ、描くのは難しいですか?
光と影、微妙な色合い、水彩だとうまく表現できるかな。
色鉛筆ですが、セイヨウナラの木の葉とカツラの葉を描いてみたら、難しいけどなかなか楽しいな~と思って
毎日は無理だけど、いろんな葉を描きたくなりました。(´▽`*)
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-02-06 23:57
lindenさん

103歳の紅梅の絵、本当にすごいでしょう?
堀文子さんといい、小倉遊亀さんといい、すごいなぁ〜と。
二人とも女性というところがまたいいわ!
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-02-07 00:04
jarippeさん

そうですね。
梅の方が好きだという人も多いですね。
寒さの中で咲くからでしょうか?
我が家の梅も今日やっと一輪咲きました。
鶯はまだですが…
やっとはるですね。
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-02-07 00:09
ゆすらうめさん

まぁ、その方、小倉遊亀さんに手ほどきを受けたのですか?
幸せですね。
描きたいと思えば描けるのではないかと…
他の人がどう評価するかは、また別の話ですが…
Commented by PochiPochi-2-s at 2016-02-07 00:22
echaloterreさん

まぁ、小倉遊亀さんが一番好きな画家ですか?
ほんと、小倉遊亀さんの梅の絵はいいですね。
強い意志を感じます。

ふふふ、りんご姫さんに見透かされてしまった???
アオギリに限らず、枯葉の場合は、スケッチがポイントだと
思ってます。色はそんなにつけるわけじゃないから。
塗りすぎるとカサカサっとした感じが出ない?
昔同じ教室で色鉛筆だけで描いていた人がいましたよ。
その時先生は、難色が重ねて塗るように指導してたと思う。
たとえ緑一色に見えても、よく見たら黄色、ウグイス色、濃い緑、
時には茶色、黄土色、若草色等混ざり合っているから…
一色だけで塗らないで何色かを塗り重ねたらいいのかも。
水彩だけでうまくいかない時は色鉛筆も使うこともありますよ。

ね、おもしろいでしょう?
続けてくださいね。
いろんな葉を描いてください。

名前
URL
削除用パスワード
by PochiPochi-2-s | 2016-02-05 22:45 | 絵画 | Comments(8)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s