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アイガー北壁、もう30年余…

昨夜、何気なく テレビをつけると、BS4地球絶景紀行が放送されていた。

登頂がなかなか難しいので“魔の山”と名付けられたアイガー北壁。
グリンデルワルトの村から。ヨーロッパ最長のゴンドラで行くメンリッヒェン展望台
から。そして、最後にはヘリコプターで空から白銀の大パノラマ。


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クライネシャイディックからのアイガー北壁
(ウィキペデイアから拝借)


「わぁ〜、懐かしいっ! あれから もう30年余。
時間の流れは、ほんとうに速いなぁ…」

若い時は、時には思ってもみない大胆な行動をするものだ。
この時もそうだった。
ありったけのお金を引き出し、全額握りしめて大胆にも
家族でヨーロッパへ1ヶ月の旅行に出かけたのだった。




今から30年余前、家族で初めて行った(西)ヨーロッパ旅行。
ユーレイルパスを使った鉄道旅行だった。
スイスもぜひ訪れたい場所の一つで、レマン湖畔の街・モントレーでの滞在の後、
次はアイガー北壁を見ながらその山麓をハイキングしたいと、グリンデルワルト
まで行った。

駅前のインフォメーションセンターでホテル・ベラリーを紹介され、宿泊する。


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《ホテル・ベラリー》


家族経営の、ほんとうに小さなホテルだったが、オーナーの老夫婦も、若夫婦(夫・
日本人)もみんな親切で、こじんまりした、快適な、心地よいホテルだった。
親切にもおじいさんは、駅まで私たちを軽トラで迎えにきてくれた。
何よりも一番良かったのは、
ホテルの庭から 毎日 アイガー北壁を眺めることができることだった。


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《当時のホテルオーナー夫妻の家族》
(『グリンデルワルト便り』より)



ついた当日の午後からは小雨。
早速、雨具を着て散歩に出かけた。


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小雨の降るグリンデルワルトの村で


「さぁ明日は、ユングフラウヨッホまで登山電車で登るぞ!」
誰もがそう思って眠りについた。
翌朝 娘が調子悪く、疲れが出たのか少々熱があった。
まずは、山の大好きな私と息子が、途中のクライネシャイディックまで偵察に行き、
主人と娘はホテルで休憩していた。
その間、ホテルオーナーの老婦人に親切にもてなして頂き大喜びだったとか。
夜その話を主人から聞き、どんなに嬉しかったことか。
海外で一番嬉しいと思うのは、他の人のさりげない、しかし心のこもった親切。
この時もそうだった。彼女の親切な心が嬉しかった。

翌日、娘も元気になり、
今度は 家族みんなで もう一度登山電車に乗り、ユングフラウヨッホまで行き、
帰りはクライネシャイディックからのハイキングを楽しんだのだった。

「こんな高い運賃の登山電車に二回も乗る人がいる。誰かなぁ?」
「うん??? へっへっへ…」


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登山電車


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登山電車のレール・ギア

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ユングフラウヨッホ駅

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登山駅の下にある氷の宮殿

子供たちは大喜びだった
スケートの格好をしてふざける長男

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ユングフラウヨッホの展望台で

メンヒをバックに長男と私
若っ!


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クライネシャイデック駅からのユングフラウ



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アイガー北壁とクライネシャイディック駅

ここから下の村に向かってハイキングを開始


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わぁ〜、気持ちい〜いっ!



まだまだ日本人旅行者の少なかった頃。
ハイキングの途中で若い日本人夫婦に出会い声をかけられた。
「ご家族で旅行ですか? 旅行が終われば日本に帰れるのですねぇ。
うらやましいわ。私たちは駐在員なので、なかなか日本に帰れないのですよ。
お嬢ちゃんも坊ちゃんも気をつけて旅行してね。楽しんでくださいね」

「楽しかったなぁ〜。もう30年余経ったなんて…
そりゃそうやわ。二人とも もう40才近いもんなぁ」

久しぶりに楽しかった昔の旅行を思い出した瞬間(とき)だった。



Commented by sidediscussion at 2015-09-13 16:36
ご家族で一カ月の旅行はすごいですね。大富豪の旅。凄い凄い。
いい思い出は一生の宝ですね。

植物画素晴らしいです。あんな風に描けるのに教室へ行ってられるのですね。勉強家です。

イチジクのジャムを自家製で作られるとは。私はイチジク生が好きですがお高くて、シーズンに3回買えばいい方です。4つで500円から600円位の小さいのを買って、一度に四つパクリたべてしまいますの。
Commented by PochiPochi-2-s at 2015-09-13 18:34
sidediscussionさま

大富豪の旅?
現実は、ありったけのお金を引き出し通帳残高0円、おまけに子供の急病などで緊急で帰国しなければならない時に備え、100万円義母の預金から借りての貧乏旅行でした。飛行機も一番安かったアエロフロートのディスカウントチケット(唯一子供料金のディスカウントを認めてくれた)で。飛び上がると機内が水蒸気(?)で一瞬真っ白になるようなボロ飛行機でした。でも、いい思い出です。

絵も、デッサンが難しくて…失敗も多いのです。
色をつけて見ないと出来上がりがわからないところが素人です。
わたしは、sideさんの絵、大好きです。

イチジクは5つ500円ぐらいで買いました。
朝食がパンなので、ジャムが欲しいのです。
この時期に一回だけ作ります。次はりんごジャムかな?
アップルパイのフィリングに使うりんごジャムが気に入っているので…市販のジャムはあまりにも甘いと思いますから。
それにしても生のイチジクを一度に4つ、パクリと食べるというのは凄いですねぇ。
Commented by Deko at 2015-09-15 13:10 x
アイガー北壁こういう旅が出来る家族は日本じゅう探してもあまりいないのではないでしょうか?すごいなあの一言ですよ。色々な条件を満たさなければ出来ない事ですね。若いという事も作用したのでしょうか?私は思ったら行動していますが、貴女はそれ以上なのでしょうね。羨ましいなあ。。の一言です
Commented by PochiPochi-2-s at 2015-09-15 21:52
Dekoさま

“若さ”だけでした。
↑に書いたようにお金はありませんでした。
少し前に家のローンが終わっていたのでほんの少しだけ貯金があったのと、義母の貯金をほんの少し借りたのでした。日本への帰国日は8/20過ぎだったので、帰った時には8/17振込の8月分のお給料があると…大胆でした!主人は高校の教師だったので、当時は夏休みが十分取れました。また勤めていた学校が新設校だったので、若い同年齢の同僚が多く、その学校では社会科の教師を中心にちょっとした海外旅行ブームでした。特に世界史の先生方は、ヨーロッパを見たかったようでした。うちは英語科でしたが、やはり友達の社会科の先生に影響を受けて、行きたがってました。彼よりは喋れる分だけちょっとは楽かも…と。でもね、子供はかわいそうでした。言葉が全くわからないので、遊ぶのはいつも2人ででしたから。一ヶ月余の旅行中ずーっと帰りたがっていました。「ロンドンに着いて二階バスに乗ったら日本に帰れるんだ」と。その帰りたい一心で友達と遊べない淋しさを我慢してたんでしょうね。かわいそうなことをしたなぁと、今になって思います。
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by PochiPochi-2-s | 2015-09-12 22:14 | 旅行 | Comments(4)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s