「お母さん、まだ先の話やけど、
10月18日(日)にお兄ちゃん達と一緒にみんなで遊びに行っていい?」
夕方、娘からメールがあった。
「いいよ」
以心伝心か。母娘とは不思議なもの。
「どうしてるのかなぁ〜」と思っていた矢先だった。
リョウちゃんは“超元気”とのこと。
安心した。
主人のうれしそうな顔。
彼にとっては 孫達は特別可愛いのだろう。
きっと、この前よりも一段と賑やかになることだろう。
さて、お昼に何がいいかなぁ?
リョウちゃん、煮込みハンバーグなら食べれるだろうか?
《中華風煮込みハンバーグ》
結婚した子供達がそれぞれの家族と一緒に遊びに来る。
賑やかに談笑し、一緒にランチを食べる。
手作りのケーキとコーヒーや紅茶でお茶して、また賑やかに話したり笑ったり。
孫達は大喜びで、声を張り上げで遊ぶ。
最高に楽しい一瞬(とき)。
彼らが私の家にやってくる時のいつもの見慣れた風景。
そしてどこの家にもある風景。
ふっと 先日久しぶりに会った友人の言葉を思い出した。
「なぁ、最近よく思うのやけど、
“二兎を追う者は一兎をも得ず”という言葉のように
同時に二つのものを手に入れたいと思ってはあかんのやなぁ…。
お婆さん(姑)が、ある時私に言わはったわ。
『私はな、農家で家の家計は苦しかったが、この家でみんなに囲まれて生活できた
ので幸せやった。けど、あんたは違うと思うわ。生活には苦労せんやろうが、子供
のことで寂しい思いするかもしれんで』と。
その時、今の私を予想できていたんかもしれへんなぁ。
でもなぁ、お父さんのお蔭で、本当に生活は楽や。
お金のことなんて何ひとつ心配あらへん。いつでも旅行に連れてってもらえるし、行きたいとこにも行かせてもらえる、好きなこともさせてもらえる。この近所の他の人たちに比べたら、幸せそのものや。この上、息子家族ともう少し行き来したい、孫とももっと話したいと望むのは欲というものかもしれへんなぁ。
この間 ふとお婆さんの言わはった言葉を思い出して、不足ばかり感じてた自分を反省したわ。“二兎を追う者は一兎をも得ず”やからなぁ。
これからは、今以上にお父さんとの二人の生活を楽しんで、大事にするわ。
あとはいつまでも元気にいられるように気をつけんとなぁ。
毎朝5時から散歩してるんよ。 またいろんなとこへ連れってて」
同じ敷地内に住む長男夫婦ともうひとつしっくりいかない彼女の唯一の悩み。
でも、久しぶりに会ったYさんは、その悩みを自分なりに解決しようとしていた。
彼女は 私よりずいぶん年上の友人であるが、心おきなく話せる友人だ。
「時間を合わせ、行きたいところに一緒に行ってあげよう。
思いっきりおしゃべりして、一緒に笑おう」
そう思った。
『二つのものを同時に手に入れることはできない』
なるほどなぁ。
肝に銘じて忘れないようにしよう。