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「棺を蓋いて事定まる」

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朝、主人が、郵便受けの中に 分厚い封書が届いているのに、気がついた。
封書の中身は、「K氏追悼文集」であった。

ご挨拶の文から
………
矢の如き歳月の移ろいにはおどろくばかりでございますが、
11月にはKさんのご逝去五ヶ月を迎えることとなります。
これに先立ちまして、本書をご高覧賜り、Kさんのご遺徳を
偲ぶよすがとしていただければ 幸甚に存じます。

早速、追悼文集を開いてみた。

最初に、なんともいえない優しさの漂う微笑みのKさんの写真。
学生時代のクラブの主将だった頃とは違い、
おだやかな、優しい性格が自然と現れ出ている。
この上もなく いい写真だと思った。
きっと、満足のいく、いい人生を送られたのだろう。

‘まえがき’より、
「棺を蓋いて事定まる」この言葉が頭の中に浮かんだのは、Kさんの通夜の時
でした。………………そして、通夜・葬儀が終わってすぐに、職員の中から自然発生
的に、Kさんを追悼する文集を出したいという声がわき起こりここにそれが完成
しました。……… 」

棺を蓋いて事定まる (「晋書」劉毅伝から)

文の意味は、「人間の真価は、死んでから決まる」。

文集を読み進めるにつれて、私の知っている、記憶の中に存在しているKさん
が、再び、目の前に 鮮明に浮かびあがった。みんなそれぞれ、自分の知る、自分と
関わりのあった部分でのKさんを生き生きと描き、語っている。
みんなの、彼に対する想いの深さ・尊敬・親愛の情を感じずにはいられなかった。

亡くなってからもなお、これほど多くの人たちに慕われ、みんなから尊敬の眼差しを
受けることができる人は、そんなに多くはいないのではないだろうか?
仲間から 追悼文集を出してもらえる人が、いったい何人いるだろうか?

Kさんはきっと、いつまでも、この文集とともにみんなの心の中に
生き続けることだろう。幸せな人だと思う。
全て、彼の持って生まれた人徳によるものなのだろう。

同学年のY君が書いている。
「Kさんを失った痛手は大きい。
だが、一陣の風が吹き抜け、からだの中が洗われた感じもしている。
大切なものを遺してくれた先輩を誇らしく思う」と。

本当にそう思える。
このようなすばらしい先輩を持てたことを誇りに思い、
これからの人生の指針にしたいと思う。




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by PochiPochi-2-s | 2014-10-19 23:00 | 思い出 | Comments(0)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s