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『フィレンツェの屋根』

《旅はパレット》
『フィレンツェの屋根』_b0344816_18362441.jpg



今日は、朝から 昨日の野の花のデッサンに色をつけようと決めていた。
先ずは、『山路のホトトギス』 ていねいに… よく観察して…
細かい作業に 神経を張りつめて。 集中!
あ〜あ、疲れた。バラの香りの紅茶と大好きなチョコチップクッキーで休憩。
ホッ!

もう少し休憩と、本棚から本を探す。

『旅はパレットーThe World in Water-colour」(江國 滋・著)
著者が趣味で描いた絵に、その絵に関連する文章が添えられている。
ずいぶん 昔 買った本だが 、とても気に入っている。
「いつかこの著者のように、絵を描きながら 旅をしたい」とよく思った。

この種の本は、絵だけを見ても楽しいし、絵を見ながら文を読んでも楽しい。
安野光雅・著 旅シリーズ(イタリアの丘・フランスの道・イギリスの村など),
堀文子・著 「命というもの」シリーズなど、今までに何冊か持っている。

この本の中に『フィレンツェの屋根』という題の絵と文章がある。
[ウフィツィ美術館で、ルネッサンスの世界的名画を、順路に従って一点ずつ見て
まわっているうちに 疲れてしまい 息苦しくなり、ひょいと回廊の窓から下を見下ろ
すと、赤茶色の屋根が折り重なるように広がっていた。この下に、人間の営みがある
んだなと思ったら、ほっとして 一時に生き返る思いである](抜粋)

思わずこの絵とよく似たフィレンツェの景色を思い出した。
宿泊したペンションの窓から見た景色とそっくりだった。

1982年夏、思い立って、ヨーロッパへ旅行をした。
小1と幼稚園児(年少組)の子供二人と主人・私の“ズッコケ家族旅行”。
パリから始まり、スイス・イタリア・ドイツ・オランダ・ベルギー・イギリスと当時
の西欧の国々をユーレイルパス、フェリー、ブリットレイルパスを使い約一ヶ月余。
子供達はまだ小さく、旅行の楽しさがわかる年ではなかったが、私達二人には
想像以上に 楽しい 思い出に残る旅になった。いろんな国の人たちと話し、行きた
かった場所を訪ね、さまざまな経験をした。

フィレンツェでは、ドーモのすぐ近くのペンションに宿泊。
部屋の窓からは、ドーモ と まさに この本の絵のような赤茶色の屋根が折り重なる景色が見えた。個人旅行だったので時間はたっぷりあった。見たかったものは ほとんど見ることができた。 小さなこども連れとはいえ、充分楽しめた。
あまりにも暑かったので露店で買って食べたスイカ。そのおいしかったこと!
今だに 娘が、思い出したように 話題にすることがある。

24年後、再び フィレンツェを訪れた。
主人と二人、ミラノからローマ・ナポリまでのイタリア旅行の途中で。
この街では、ただ一つだけしたいことがあった。
ドーモの屋根に登り、屋上からフィレンツェの街を眺めること。

前回、 主人と幼稚園児の娘は登れたが、その日 暑いので上着も持たず タンクトップを着ていた私は 教会の中に入れず、登れなかった。しかたなく 、登るのを嫌がった長男と二人で 、カフェで待たなければならなかった。口惜しかった。
その後、何年間か ドーモの写真を見る度に 口惜しさを思い出した。

夕方、屋上には 気持ちの良い風が流れていた。
遠くには 山が見え、ドーモ周辺は 一面 赤茶色の屋根 屋根 屋根 だった。
ドーモの屋上からの景色は、美しく心に残るものだった。
登る価値はあると思った。満足のいく時間だった。

リフレッシュの後、また新たな気持ちで 絵を描いた。

*12日(金)に投稿する予定が、夜中12時を1~2分過ぎてしまったので 、13日の投稿
になってしまった。



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by PochiPochi-2-s | 2014-09-13 00:01 | 旅行 | Comments(0)

生きている喜びを感じられるように生活したい


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