台風

b0344816_23511928.jpg
降りしきる雨に濡れるデッキ



午前中に長崎に上陸した台風が四国を通り抜け、夕方には紀伊半島に再び上陸した。
今回の台風は予想以上にスピードが早い。
いつもよりかは少し激しい雨が降ったが、思ったほどきつくはなく、
雨が降るのを横目で眺めながらウリハダカエデの絵を描いていた。

「台風か…」
そう思った途端に、高知出身の友人との会話を思い出した。

「台風って聞くと、思い出すのはいつも同じ景色やわ。
父が家の外から窓枠に板を釘で打ち付け、家の中では 畳をあげて 窓を支えるために
窓に立てかけた。台風が通過する時、その畳を家族みんなで必死に押さえたわ。
私の生まれ故郷もあなたの故郷も、共に、台風銀座と呼ばれていたものね」

台風と聞けば、私も彼女と同じ思い出、同じ景色が真っ先に浮かんでくる。
台風が 四国高知辺りを通り、室戸岬から四国と和歌山の間の紀淡海峡を大阪湾に向かって
北上する時が、和歌山にとって一番危ない、危険な時だと、子供の頃から聞かさせ続けてきた。
「足摺岬じゃなく、室戸岬やで。怖いのは」
もう半世紀以上も前のことなのに、台風と聞くとその言葉を鮮明に思い出す。
家を、特に強風から守るために、ガラス窓に外から板を釘で打ち付ける。
これはいつも父の仕事だった。
母や祖母、子供達は畳を捲りあげ、窓に立てかけ、家の中からガラス窓を支える。
一番風の強い、台風が通過するときはその立てかけた畳をみんなで押さえたのだった。
あるとき、台風の最中、年の離れた下の弟がどうしてもアイスクリームが欲しいと言ってきかず、母が大雨強風の中買いに走ったこともあった。

今 私たちの住む家は、昔のものとは比べ物にならないほど頑丈なしっかりした造りになっている。もう外から窓に板を打ち付ける必要なんてない。
でも、人の記憶というものは、その怖かったことをいつまでも覚えているものなのだろうなあと、デッキに降る雨を見ながら思っていた。



# by PochiPochi-2-s | 2017-07-04 23:32 | 思い出 | Trackback | Comments(8)

母と娘

b0344816_08555339.jpg
道路に面した花壇の花


「お義姉さん、母が退院したので東京に帰ってきました。
母からくれぐれもよろしくとのことでした。
預かってきたものを送ります。明日届きます」

一昨日、東京に住む義妹からのメールが届いた。
ほぼ一ヶ月余前、実家の母の入院・看病のために和歌山に帰るというメールが届いていたので、やっと退院されたのだなぁと思い、電話をかけてみた。

「お義姉さん、自分の母ながら一ヶ月も一緒に生活していると、母の、私が"うん?"と少し疑問に思うところがやたらと目につきだし、最後には"もうッ!"と少し腹立たしく思うことも多くなり、自分の母とはいえその世話はなかなか大変やったわ。これじゃ、母の近くに住んでいる弟やお嫁さんが大変な思いで世話をしてくれているんやろなぁと申し訳ない気持ちになってしまって…」
開口一番、彼女は電話の向こう側でそう言った。

ふっと 、母が生前最後の入院から戻ってきた頃に、従姉妹に言ったという言葉を思い出した。
「あんた(従姉妹)みたいに、(私を)近くに置いておけばよかった。この辺りの人、少なくとも和歌山の人と結婚させればよかった」
母のお葬式の後、この言葉を従姉妹から聞いた時、愕然としたのを今でも鮮明に覚えている。
「あの気丈な母がそんなことを言うなんて…。 自分から進んで子どもが遠くに行くことを望んだのに。小さい時からそういう風に私たち子ども3人を教育したのに…」
信じられない気持ちでいっぱいだった。
上の弟家族との同居ゆえの(私自身の)安心感と、それ故に感じる(母の)寂しさを十分にわかっていながら、自分の家族のことで振り回され、母の望むような看病をしてあげられなかった悔しかった思いも一緒に思い出した。

b0344816_18170259.jpg

母と私は同じような性格ゆえか、小さい頃からあまり気が合わなかった。
当時としては珍しい働く女性であったこともあって、常に気を張って緊張していたのかもしれなかった。
世間一般の優しいお母さんというイメージではなかった。
父のような穏やかな、優しい性格だったらどんなによかっただろうとよく思ったものだった。
母の、私に対する思い、愛情はよくわかっていたが、それ以上に、できるだけ早くこの家から
出て行きたい、大学受験がいい機会だと思っていた。
大学に入り、母から離れ、自分のやりたいことが自由にできる開放感が嬉しくてならなかった。
就職も自分で神戸と決め、故郷には戻らなかった。
結婚相手も故郷の人ではなく、京都生まれ大阪育ちの人で、結婚後は大阪に住むことになった。
母はいつもニコニコと笑い、私のすることに何一つ反対はしなかった。
しかし、ただひと言、一度だけぽつりと言ったことがあった。
「和歌山で教師になってくれると思っていた」と。
「寂しかったのだろうなぁ。母も世間並みの母親だったのだ」と、今でこそ 当時の母の気持ちがよく理解できるのだが、その頃の私には全く考えもしなかったことだった。

近所のスーパーや、絵の帰り立ち寄るデパート、電車の中で、あるいは 旅行に行った時に出会う仲の良い母娘を見るたびに、また友人たちの仲の良い母娘の関係を見聞きするたびに、自分の母娘の関係を思い出し考え込んでしまう。決して仲が悪かったわけではないが、ものすごく仲が良かったということでもなかった母と娘の関係を思い出しては考えてしまう。

b0344816_23460709.jpg

最近は頼まれてよく娘の家に行くことが多く、私と娘の会話でさまざまなことが話題になる。
自分の娘とはいえ、高校卒業と同時に家を離れた娘。
親の元で過ごした時間よりもすでに長い時間を親から離れて過ごしている。
また彼女は仕事を持った働く女性でもある。
親子と言えども考え方が違うのは理解できるし世代間差(ギャップ)があるのも当然なのだが、
それでもやはり時々、"うん? そうじゃないでしょう"と思うこと、感じることが多い。親子ゆえの遠慮なさから出てくるものだと思うが、カチンと頭にくることが多い。その点、主人は鷹揚でサラッと受け流すが、私はどうしても引っ掛かってしまい、腹の立つことが多い。
母娘の関係とはそういうものなのだろうか?
他所の家でも同じなのだろうか?

そう考える時にもまた考え込んでしまう自分がいるのに気がつくことが最近は多くなってきた。

エイちゃんをあやしながら、ふとそんなことを考えていた。


b0344816_18324920.jpg


More
# by PochiPochi-2-s | 2017-07-03 23:32 | 思い | Trackback | Comments(10)

流れる汗

b0344816_16283305.jpg


いつになく早い時間に目が覚めた。
いつもなら 開けている窓から心地よい山からの風が流れて込んでくるのだが、
今朝は違った。
早い時間から風は生ぬるく感じられ、昼間の暑さを予感させるには十分だった。

「暑〜ッ!」
気になっていた庭の草花の整理をしていると、案の定 汗が頬を伝って流れていった。
部屋に入り、扇風機のスイッチを入れたが、涼しくなったとは思わなかった。
今日は家にいる時は ずーっと扇風機を回したていたように思う。
最近は何事も"急激に"変化することが多いような気がする。
天気はその最たるものかもしれない。
これから始まる本格的な夏の気温は更に上がるだろう。
気をつけて過ごしたいものだ。

今日の大阪の最高気温 33.4℃だった。
暑いはずだった。



# by PochiPochi-2-s | 2017-07-02 23:28 | 日記 | Trackback | Comments(4)
b0344816_17043936.jpg

b0344816_17184587.jpg


b0344816_17185962.jpg


昨日も昼の間やんででいた雨が、夜になると再び降り始め、今日の明け方まで降っていた。
朝食後 ふとデッキに目をやると、デッキのテーブルの上に置いている父の風蘭
たくさんの花芽がつき始めているのに気がついた。

生前、父は風蘭の花が大好きで、(実家の)裏山に行っては持ち帰っていた。
裏庭に植えている木の枝や裏山から持ち帰った大きな石に、水苔を使って貼り付けたり、
小さな植木鉢に植えたりと 、風蘭の世話をするのが父の庭での最大の楽しみであった。

「この家(私の家)にくると、風蘭が生き生きしてるのがよくわかるなぁ。
わしよりお前の方がよっぽど手入れがいいのかなぁ。
今度からわしの風蘭の元気がなくなったら、こっちに持ってくることにするわ。
その方が風蘭も喜ぶやろう」
父は笑いながらよくそう言っていた。

「こっちに来てよく見てみ。 同じ風蘭でも、茎の色が違うんや。
この赤い茎の花は少ないから珍しいんや。花にもほんの少しだけ赤い色が出てくるはずや。
赤い茎の花と緑の茎の花を混ぜて石にくくりつけといたから、咲いたら楽しみやで」
また、このようにも言っていた。

「本当に風蘭が好きだったなぁ。世話をしていたときの父の笑顔が忘れられないなぁ」
しばらくの間父のことを思い出し、風蘭を眺めていた。

どうしてこの花が好きだったのだろうか?
理由は聞いたことがなかった。
いつから好きだったのかきたこともなかった。
ただ家族の間では、『父=風蘭』が定着している。
桜、風蘭、鈴虫の大好きな父だった。

今日は7月1日。2017年下半期の始まりの日。
時間の過ぎるのは本当に早い!


♧ ♧ ♧


b0344816_17130186.jpg

昨日作った『ジェノヴェーゼ』で
今日はお昼ご飯に冷製パスタを作った。
トマトとジェノヴェーゼがよく合ってとてもおいしいと思った。

さて、次はこのジェノヴェーゼを使って何を作ろうかな?





# by PochiPochi-2-s | 2017-07-01 21:39 | 思い出 | Trackback | Comments(6)

初めてのジェノベーゼ

b0344816_19341058.jpg
『ジェノヴェーゼ』


昨夜雷が鳴っていた。
最近久しく雷の音は聞いていなかった。
なんだか懐かしような気がしたのはどうしてだろうか。
雨は夜半から激しくなり、朝起きてもまだ降り続いていた。
少し蒸し暑かったので デッキへ続くフレンチウインドウを全開すると、
湿気が一気に家の中に入ってきてフローリングがベタベタし始めたので慌てて閉じたのだった。

ふと庭を見ると、葉がふさふさとしてきたスウィートバジルが目に入った。
最近ある雑誌で、いつか作りたいと思っていた『ジェノヴェーゼ』のレシピを見つけ、
スウィートバジルの葉がもう少し多くなったらと、しばらく待っていたところだっだ。

よし、今日は雨だし、ジェノヴェーゼを作ってみよう。
雨の降る中、急いで庭に出てスウィートバジルの葉を摘んできた。
計ってみると40gあった。
30gあればいいから作れるわ。
他の材料は全部揃っているので、ミキサーで混ぜるだけ。
な〜だ、"超"簡単!
長年憧れていた『ジェノヴェーゼ』。
味は絶品だった。

明日のお昼は冷製スパゲッティにしよう。
そう思うと心は弾み、ランランラン♪

2017年上半期最後の日の朝の楽しいひと時だった。


b0344816_19332521.jpg
庭のスウィートバジルの葉


b0344816_19334501.jpg
庭のパセリ




# by PochiPochi-2-s | 2017-06-30 23:35 | 趣味 | Trackback | Comments(6)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s