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ピ〜ンポ〜ン。
一昨日の夕方夕食の準備をしていた時にインターホーンが鳴った。
主人が玄関まで出てみると、近所に住む中国人のCさんだった。
「こんばんは。去年のように今年も干し柿作りますか?
今日は少し暇だったので庭の柿を切ってみました。
私たちは干し柿を作れないのでよかったら作ってください」
そう言って、Cさんは玄関先に枝から切ったばかりの柿の入った大きな紙袋を置いていった。
数えて見ると83個もあった。

昨日は時間がなかったが、今日は朝から頂いた80個余りの柿をむき、干し柿の準備をした。
予想はしていたが、大きな柿を80個余りをいっきに剥くのはやはりかなりの時間がかかり、
午前中はこの仕事にかかりっきりになってしまったのだった。
しかし、柿の皮を剥く作業は嫌でもなく、むしろ楽しかった。
手や包丁につく柿渋を拭きながら黙々と柿の皮をむき続けるその時間が好きだとわかった。
柿の皮を剥きながら、いろんなことが次から次へと浮かんでは消え、消えては浮かんでいった。

昨日夕方ほんの少し時間があったので、ちょっと見に行ったリョウちゃんとエイちゃんの顔。
つい一週間ばかり前に会ったというのにまた見たくなった。
喜びそうなおかず、果物、好きなおもちゃ(恐竜のジオラマ)を持って会いにいく。
二人の嬉しそうな笑顔を見ると、なんとなくほっとし和やかな気持ちになる。
大好きな“おじいちゃんの緑の車”に乗り、マンションのある一角を2、3回ぐるりと回る。
途中の消防署の前で少し休憩。その時のはち切れんばかりの嬉しそうなリョウちゃんの顔。
「なんと平和な!」そう思う一瞬(とき)。

先月久しぶりに会ったハルとアサヒの笑顔。
中学入学以来、クラブ活動(サッカー)で急に忙しくなり、なかなか遊びに来れなくなったハルちゃん。急に彼の顔が見たくなり、夕方家族みんながいる頃に、ハルとアサヒ、二人の大好きな「濃いめのカルピスウォーター」一箱とチーズケーキを持って会いに行った。1時間足らずの夕方のドライブは景色も美しく快適で、何よりも久しぶりに見る彼らの笑顔が嬉しかった。



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先週の水曜日以来、頭の中にあるサルトリイバラのデッサン。
なかなか気に入ったデッサンにならない。
何となく気持ちがしっくりしない。
気に入らないと思いながら描き続けるのは気分が乗らない。
それだけは避けたいと、毎日少しづつ、時間があれば気にいるまで描きなおしている。
「しゃあないなぁ(しかたがないなぁ)。何が好きでこんなことしてるのやろう」
そう思いながら描いては消し、消しては描いている。
昨日やっとなんとか少し気に入ったものになってきた。


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「急いで急いで」と少しでも時間があれば編んでいるネックウォーマー。
完成までまであと10cmほど。
もう一日あればきっと編み上がるだろう。
クリスマスまで3週間あまり。これでやっと間に合うだろう。
ほっとひと安心。
このネックウォーマーをして愛馬に乗っているアンジーを想像するだけでも楽しくなる。

「久しぶりにあなたの声が聞きたいんやわ」と言って電話をかけてきてくれた中学時代の友人のことも思い出していた。
今年の五月、ご主人を癌で亡くした彼女。
健康がいかに大切であるかと電話の向こうで一生懸命に話してくれた。
ご主人が亡くなり今年は年賀状を出せないから、近いうちに私に方から手紙を書いてみよう。
「来年になったらゆっくり会って話そうね」という約束をきっと実現しようとあらためて心に思ったのだった。

そのほかにもいろんなことが心に浮かんだ。
来年の作品展のこと。私もよく知っている主人の学生時代の仲間の病気のこと。
最近連絡が途絶えている中学校時代の恩師のこと。
また、行きたいと思っている神戸市立博物館で開催されているボストン美術館至宝展のことも思っていた。


柿の皮をむきながら、ずいぶんたくさんのことが心に浮かんでは消えていった。
そして思った。
「幸せって、こんなことだろうか」
何も特別なことはなく、ごく普通に、自然に、平和に、日常生活を送れること。
日常生活を楽しめること。
それが幸せの原点なのかもしれないと。

そんなことを考えた11月最後の日だった。
桜の落ち葉の色に惹かれた。


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by PochiPochi-2-s | 2017-11-30 23:18 | 思い | Trackback | Comments(6)

『雪のブローチ』

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「まあ。 なんて美しい!」
本を手に取り、ページを開いたまま、しばらくの間じっと見つめていた。
目がそこに吸い込まれていくようだった。
まるで雪が空から結晶になってどんどん降ってくる、その中にいるような感じがした。

「暮らしの手帖」91(12-1月号)の表紙をめくった最初のページに、
このたくさんの雪のブローチの写真が掲載されていた。
児童文学者・松岡享子さんが今夢中になって作っている『雪の結晶をモチーフにしたブローチ』なのだそうだ。

2ページ目の下に作り方に説明が載っていた。
≪ 古着のセーターの端切れに刺繍糸で模様を刺し、ふとん綿を詰める。芯は丸く切った牛乳パック。ピンをとめつけたフェルトをあてて縫いとじる。≫

最初は、雪の結晶の写真家、ベントレーの一生を描いた絵本の挿絵を参考に刺繍をしたそうですが、すぐに空想上の雪の結晶を刺すようになったらしい。
彼女は言っている。
「雪の結晶は、ひとつも同じ模様がないときいて、私もそんなふうに刺そうと思うようになりました。もしかしたら、ちょっと似ているのはあるかもしれませんが。最初のひと針を刺したら、あとは手の動くままに。すごく楽しくて、昨日もひとつ作ったら指先に火がついて、いくつもできてきました」
1年かけて100個を作りため、チャリティーバザーに出品。
売り上げは、東日本大震災で被害のあった陸前高田の支援活動にあてているという。

松岡さんは、『くまのパディントン』シリーズや『しろいうさぎとくろいうさぎ』(娘が大好きだった絵本)の翻訳者で、『なぞなぞのすきな女の子』の作者。また東京子ども図書館の創設者の一人でもある。子どもたちにお話を話して聞かせる活動をしている。

6年前の2011年6月、復興に協力してほしいという声を受けて陸前高田に行き、打ち合わせのため偶然訪れた小友小学校で子どもたちと出会い、お話をした。この事がきっかけとなりその時から、松岡さんと子どもたちはお話の力で結ばれた6年間を過ごしてきたという。
毎学期、子どもたちにお話をし、学期の終わりには全校生徒ひとりひとりに好きな本を選んでもらい、本にその子の名前を書いて贈る。震災で大切にしてきた本を失った子も、徐々に自分の本が増えていく。
松岡さんにとっても、お話を通していっしょに時間を過ごした子どもたちにとっても、共に過ごした時間は、大切な、貴重な、宝物にような時間だっただろうと思う。

松岡さんは、6年前初めてお話を語った時に、これから10年はこの小友小学校でお話を続けようと心に決めたそうです。体が動くかぎり、あと4年は通うつもりだという。
雪のブローチの売り上げは、子どもたちに手渡す本のお代になるそうです。

雪の結晶のブローチは、このような松岡さんの温かい心がこもっているからこそ
なお一層美しく、見る人の心を捉えるのだろうと思った。

一昨日偶然立ち寄った本屋さんで出会った「暮らしの手帖」の最新号。
この写真と記事で思わず買ってしまったが、
これから時間のある時やゆっくり過ごしたい時にこの本を開くことになるだろう。
読みたい記事がたくさんあったのが嬉しかった。


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松岡さん愛用の裁縫道具
手作りらしき針山がかわいい。





by PochiPochi-2-s | 2017-11-29 23:32 | 読書 | Trackback | Comments(4)

一瞬の輝き

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夕方、
テーブルに座り、
友人のリさんに久しぶりにメールを書いていた。
初めてのドイツでの生活。
楽しんでいるだろうか。
彼女のことだからきっと大丈夫。
そう思いふと頭をあげた。
「まあ!」
一瞬の輝きだった。


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by PochiPochi-2-s | 2017-11-28 19:59 | 自然 | Trackback | Comments(4)

さて、サルトリイバラ…

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描きかけのサルトリイバラ



朝から暖かく、空は青空。
晴れていた。
いそいそと水泳教室に出かけた。
途中自動車から見える山は紅葉真っ盛り。
ここ2、3日の寒さでいっきに美しく輝き出した。

「そう、その調子、その調子。足がうまく蹴れてるわ」
平泳ぎの練習のあと、嬉しいことに今日も先生に褒めてもらった。
手と足のリズムがうまくとれ、ほぼ25m泳ぎきったのだった。
ええっ? 自分でも意外でびっくりした。
なんとなくわかる””なんとなくコツが掴めた“というのはこういうことを言うのだろうなぁ。
そう思った瞬間だった。
心が弾み、嬉しくて一人ひそかに心の中でハミングしていた。

さて、サルトリイバラ……
午後、サルトリイバラの絵を取り出した。
ここ4、5日、描きかけの絵を前にずーっと考えこんでいる。
今までなら下絵のデッサンができると、さあ色を塗ろうと何も考えず色を塗りはじめた。
しかし、最近はすぐに色を塗るということはしなくなった。
いや、できなくなった。
「うん?……」
「これでいいだろうか?」
「なんだかこのあたりが気に入らないのだけれど…」
「なんかちょっと変。何となく落ち着かないなぁ…」
絵を前にして、そんなことを考えながら4、5日過ごすことが多い。
そしてその間、いらないと思う部分を消し、足りないと思う部分を付け加える。
自分で納得するまで何度も消したり付け加えたりの繰り返し。

今日もそうだった。
たくさんのサルトリイバラの実を消したり付け加えたり。
私はいったい何をしているのだろうと思いながら。
でもまだ、なんとなく落ち着かない。
なんとなく気に入らない。

「ただいま。帰ってきたのが気がつかなかったの?
なんや、まだやっているのか。
よほど好きなんやなぁ。そんな細かいこと」

そうなのかもしれない。
そんな細かいこと、好きなのかもしれない。
絵の道具をかたづけながら、もう一度 絵を見て思った。
「あっ、ここの実の部分要らないわ。明日消そう」

色をつけはじめるまでまだしばらくは時間がかかるかもしれない。
今日の午後はそんな午後だった。



by PochiPochi-2-s | 2017-11-27 23:37 | 習いごと(絵・水泳) | Trackback | Comments(0)

まぁ、今年も早々と!

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午前中いつもの家事が終わりテーブルの椅子に座った。
ふと外に目をやると、「まあ、いつのまに!」と驚いた。
つい先日まで まだまだ緑色だった風知草の葉がきれいな黄色に変わっていた。
この家にきたとき、雑誌で見た風知草の写真があまりにもきれいだったのでほしくなり、
あちこちの園芸店を探してまわりやっと手に入れた。
そのとき以来もう20年余、枯れもせず、春先には新緑の若芽を出し、真夏には青々と繁り、
晩秋にみごとな黄色に変わる。風に揺れる様は美しくいつも見とれてしまう。
大好きな植物である。


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庭に出てみると、昨日今日と気温は低く、寒かった。
庭の隅、欅の側に植えたもみじが真っ赤に紅葉していた。
このもみじも20年余経つ。
大阪府南部にある、西行法師終焉の地・弘川寺を訪ねた時、
足元に生えていた小さな小さな若芽をもらってきて育てたもみじ。
大きくなるのかしらと長い間思っていたが、いつのまにかずいぶん大きく育った。
ここ2、3日の寒さが影響してか、今日はずいぶんきれいな赤い色に変わっていた。

小さな庭だがぐるっと回ってみると、寒さに震えながらまだ頑張って咲いているメドウセージ、葉が紅葉し始めたトキワイカリ草、やはり葉が赤く変わりはじめたヒマラヤユキノシタ、タカサゴユリの鞘、色づき始めたビナンカズラの赤い実、やっと咲いたウメバチソウなどが目についた。
いつのまにか庭は晩秋から初冬の様子に変わりはじめていた。

その時郵便屋さんがやってきた。
「はい、小包です」

まあ、今年も早々と!
アンジーからのクリスマスプレゼントがもう届いたのだった。
6年前の出来事がまだまだ彼女の頭の中に残っているらしい。
呑気な彼女もよほど応えたのだろう。
思わずふふと笑ってしまった。
お礼のメールだけ送り、プレゼントはクリスマス当日までそのまま置いておこうと思った。


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アンジーからのプレゼント
フクシアの花の切手


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メドウセージ


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トキワイカリソウ


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ヒマラヤユキノシタ


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タカサゴユリ


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ビナンカズラ


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ウメバチソウ




by PochiPochi-2-s | 2017-11-26 23:29 | 季節 | Trackback | Comments(0)

風工房

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「わあ、美しい編み込み模様。あらっ、この本、風工房さんの本やわ」
先日絵の帰り、ちょっと見たい本があったので、いつもの書店ではなくもう少し大きい紀伊国屋川西店に立ち寄った。その時まっ先に目についたのだった。
さっそく手にとってしばらく立ち読みをしてしまった。

『風工房』
私にはとても懐かしい名前である。
小さい頃から編み物は大好きだった。
祖母が東京土産に買ってきてくれた、当時流行りの大きなミルクのみ人形。
母にもらった残り物の毛糸でその人形の冬用のセーターやワンピースをよく編んでいた。
その頃はメリヤス編みとガーター編みしかできなかったが、それでもおもしろがってよく編んでいたものだった。そのうちにだんだんと縄編みができるようになり、アラン模様のセーターを編むのが好きになった。模様の図面を見るのが好きなのかもしれなかった。
子供たちが学校に行ったあと、本屋さんで編み物の本を立ち読みするのも楽しい時間で、今年は何を編もうかなぁと思いながらいろいろと考えるのも好きだった。
数多くある編み物の本に中に、「デザイン・風工房」という名前を見つけたのはそんな頃だった。風工房というちょっと変わった名前。他のセーターとは少し違った感じのする、編んで見たいなぁと思うデザイン。興味を引かれたのはいうまでもないことだった。

立ち読みしている間にこの本がほしくなりつい買ってしまったのだが、あらためてページをめくってみると、興味深い項目がたくさんあった。
風工房の成り立ち。デザインすること、編むこと。編み物でつながる旅と人。
特に編み物や毛糸を通しての旅や人とのつながりが書かれている章に興味がある。
「旅をして自由になる」という言葉にも惹かれる。
少しづつ時間を見つけゆっくりと読んでいきたいなぁと思う本であった。

しかし、まずはアンジーへのネックウォーマーを編み上げなくては。



by PochiPochi-2-s | 2017-11-25 23:37 | 読書 | Trackback | Comments(4)

何を見ているの?

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ごく最近のエイちゃん。
無心に一点を眺めている。
いったい何を見ているのだろうか?

沢木耕太郎「旅の窓」のなかに次のようなエッセイが収録されている。

その手の先に

フランスのパリに到着したのはシャルル・ド・ゴール空港だった。そのままスペインのマドリードに向かわなくてはならず、シャルル・ド・ゴール空港からオルリー空港にバスで移動することになった。
私が座った斜め前の席に、父親と二人だけで旅をしているらしい幼い男の子がいた。しばらくはおとなしくしていたが、やがて座席に立ち上がり、こちらを見たり、後方で電話をかけている女性を眺めたりしていた。
その男の子が、ふと、何かに気がつくと、その何かに向かってしきりに手を差し伸ばしはじめた。フランス語で「非常口」と書かれたガラス窓の文字なのだろうか、それとも、冬の夕暮れの空に鮮やかな直線を引いている白い飛行機雲なのだろうか。
それが何なのかはわからないまま、私はその男の子の必死さに心を動かされていた。男の子の手の先にあるのはいったい何なのだろうという不思議さを抱きながら。


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by PochiPochi-2-s | 2017-11-24 21:14 | 日記 | Trackback | Comments(6)
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昨日絵の教室の帰りに立ち寄ったデパート。
クリスマスソングが流れていた。
「あれっ? クリスマスソングが…」
ここ何年かクリスマスソングは流れていなかったような気がするのだが。
景気が回復したのか、それとも消費を促すようにとの目論見なのか。
でもそんなことに関係なく、
クリスマスソングにはなぜか心が浮き立ち、つい一緒にハミングしてしまう。
そして 不思議なことに 楽しい気分になる。

今年もあと1ヶ月余りを残すのみ。
少し前、偶然立ち寄った手芸屋さんで、このフンデルトヴァッサーの毛糸を見つけた。
突然、去年編んだように、もう一枚ネックウォーマーを編んでみたくなった。
そして思った。
「アンジーへのクリスマスプレゼントにしよう。
彼女の愛馬に乗る時や寒い冬の買い物の時のためにちょうどいいかも」と。

10日もあれば編めると思い、いったん自分のベストを横に置き、
編み始めたのはよかったのだが、なかなか思うようにはうまく事は運ばない。
12月初めまであと1週間を残すのみとなってしまった。
「急いで急いで。間に合わなくなってしまうよ」
この言葉が、今日一日、心の中で何回も繰り返されていた。
マムシグサの絵も完成し、次の山帰来(サンキライ)の下絵もできた。
少しゆとりができたので、今日の夜はいつもより長い時間編むことができた♪
明日も時間を見つけて少しでも多く編むようにしよう。
「急いで急いで」
この言葉に急かされないように。

アンジー喜ぶかなぁ。
彼女の好きそうな色なんだけどなぁ。


More 今日の夕焼け
by PochiPochi-2-s | 2017-11-23 23:35 | 趣味 | Trackback | Comments(6)
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あらっ、綿毛!
朝、庭の枯葉を掃いていたとき秋明菊の綿毛に気がついた。
「旅立ちの時がやってきたなぁ。どこに飛んでいくのかしら」
その真っ白な、まるで綿そのもののような綿毛をしばらく眺めていた。

♪ 園小百合 撫子 垣根の千草
今日は汝をながむる 終わりの日なり
おもえば涙 膝をひたす
さらば故郷
さらば故郷 さらば故郷
故郷さらば
さらば故郷 さらば故郷
故郷さらば

ふと気がつくと、何故かこの歌が心の中を流れていた。
そして3人の子供達の旅立ちの時のことを思い出していた。

彼らにとっての旅立ちの時とは、大学に入り親から離れ独立する時だったと私は考えている。
三人三様だった。
長男は後に続く妹と弟のことを考えて、長男の自分は自宅から通える大学に進もうと思ったと、ずいぶん後になってから言っていた。本当は親元から離れ、下宿生活をして一人暮らしをしたかったし行きたい大学もあったが、諦めたと。母親の私はそんな彼の気持ちは全く知らなかった。もちろん主人も知っているはずはなかった。長男が一人で思い、一人で考え、一人で決めたことだった。もし知っていれば、「そんなことは考えなくてもいい。自分の行きたい大学に行きなさい」と言っていたと思う。子供の心親知らずの全く鈍感な母親だった。彼は学部修士と6年間家から通い続けたが、受験する大学を決めたとき心はすでに親から独立し、旅立っていた。

長女(娘)は、兄とは異なり、あくまでも自分の希望が第一で、自分の行きたい大学はここだけと強く主張し、親の思いもふりきって北海道に行ってしまった。6年間、親元を離れ、そこでの生活を楽しんだようだ。辛いことも数多くあっただろうが親にはそのようなそぶりは一度も見せたことがなかった。休暇で帰ってきたときはいつも笑顔の彼女だった。親の思いをふりきって行ってしまったとき、この時が彼女の旅立ちの時であった。

次男の旅立ちの時はなかなか大変だった。
年の離れた兄・姉の後に自分もまた続きたく、彼なりに必死に頑張っていた。
家族親戚の中で一番年下でみんなから可愛がられて育った彼は、何事にもおっとりとしていて、家から通学できる大学に行くか遠く離れた大学に行くかで最後の最後まで迷いに迷っていた。
結局は、両親、兄姉、高校時代の友人たちみんなに勧められ、家から離れた遠くの大学に行くことにした。生まれて初めてのアパートでのたった一人の自炊生活。寂しかったのだろう。
「お母さん、………」と寂しそうな声でよく電話がかかってきたものだった。
しかしその次男も次第に一人暮らしに慣れていったのか、7月になり「運転免許証を取りたいから自動車学校の費用を貸してほしい。アルバイトをして必ずお父さんに返すから」と言ってきたときには 「ああやっと落ち着いたのだ」とほっとしてなんだかじーんときてしまったのだった。就職し東京に行く前に家に戻ってきた彼は、6年間の大学生活が自分にとっていかに最高のものであったか、たくさんの仲の良いすばらしい友人や尊敬できる先輩や教授に巡り会えることができたかと写真を見せながら滔々としゃべっていた。
“あのお母さんという寂しそうな声“で電話をかけてきたのと同じ人物だとは思えないほどの、
逞しい成長だった。
「ああやっと旅立ちの時だなぁ」
その時やっとそう思えたのだった。

安野光雅・画文集「歌の風景」の中に、
「故郷とは子どもの時代のことなのである」という一文がある。
旅立ちとは子ども時代との決別の時だと思った。

3人それぞれの旅立ちの時から随分時は経った。


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たんぽぽ
(堀文子・画文集「無心にして 花を尋ね」より)


庭の秋明菊の綿毛を見ていて思い出したものがもうひとつあった。
たんぽぽの綿毛を描いた堀文子の絵だった。
家に入り、早速画文集を本棚から取り出し、もう一度じっと眺めた。
四方八方に向かっておもいおもいの格好で飛んでいく綿毛。
どこに飛んでいくのだろうか。
ひとつひとつの描かれた綿毛からまだ見ぬ地へ飛んでゆく楽しさを感じる。
なんだか嬉しそうに歌っている歌が聞こえてくるようだ。
まさに次の世代(新しい土地)への旅立ちの時。
この絵が大好きである。
いつかこのような楽しそうな歌が聞こえてくるような絵を描きたいなぁ。

今朝偶然見つけた秋明菊の綿毛はいろんなことを思い出させてくれたのだった。




by PochiPochi-2-s | 2017-11-22 23:18 | 思い | Trackback | Comments(4)

裏山の紅葉

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裏山の紅葉(北側)


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裏山の紅葉(西側)



秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)
濃(こ)いも薄いも数ある中に
松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は
山のふもとの裾模様(すそもよう)

ここ2、3日で気温はぐっと低くなり、
特に早朝と太陽が沈んでからの気温が驚くほど低くなった。
今日は日中でもデッキの温度は13度ぐらいしかなく、
2気筒のストーブを全開にしても部屋の温度は20度以上にはならなかった。
いつもは昼間は気筒を2本使うこともなく一本だけで十分な暖かさになるのだが、
今日はそれほど寒かったということだ。
だからか、
今朝は、毎朝見ている裏山の紅葉が、いっきにきれいになったように思ったのだった。

お昼前、用事があり出かけたついでに近くの山の紅葉も見ようと立ち寄ってみた。
思ったとおり、ここの山の紅葉もずいぶんと美しくなっていた。
曇りがちのなか時々陽の光が射すと、山の紅葉した木々がパッと明るく輝いて見える。
「ああ きれいだなぁ」
しばらくじっと眺めていた。
心の中では「紅葉」の歌が流れていた。
「夕日じゃないけど…」と思いながら。
どういうわけかわからないが、今年は赤色より黄色の方が輝いているように思う。



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by PochiPochi-2-s | 2017-11-21 23:37 | 日記 | Trackback | Comments(2)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s