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ロシアの心

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ともしび

夜霧のかなたへ 別れを告げ
雄々しきますらお いでてゆく
窓辺にまたたく ともしびに
つきせぬ乙女の 愛のかげ

戦いに結ぶ 誓いの友
されど忘れ得ぬ 心のまち
思い出の姿 今も胸に
いとしの乙女よ 祖国の灯よ

やさしき乙女の 清き思い
海山はるかに へだつとも
ふたつの心に 赤くもゆる
こがねの灯 とわに消えず

ロシア民謡の一曲として歌われたこの「ともしび」をアンコールでは日本語で歌われた。
その途端、会場の雰囲気は最高潮に達したように思った。
2000席を越す大ホールはほぼ満席であり、聴衆の多くはいわゆる「うたごえ喫茶」世代であるように思われた。

午後2時から始まるコンサートに合わせ早めの昼食をとり、駅に向かった。
今日は歌のコンサートだと思うと何かしら心は弾んでいた。

「ボーカデミア クリスマス・コンサート」
ボーカデミア』とは、世界最高峰の合唱アカデミー「ロシア国立モスクワ・アカデミー合唱団」の精鋭メンバーたちによるボーカル・アンサンブル。
時にはピアノ伴奏で歌う曲もあったが、大半は歌声だけの合唱(ア・カペラ)だった。
そのハーモニーの美しさ、声量の豊かさに魅了された。

印象的だったのは、
J.S.バッハ = C.グノー の「アヴェ・マリア」から始まった6曲の宗教音楽。
J.S.バッハ「G線上のアリア」、シューベルト「アヴェ・マリア」などよく知っている聴きなれた曲で、その清らかな歌声に、まるでヨーロッパの教会で聴いているかのような錯覚に陥った。
訪れたことのあるいくつかの教会を思い出していた。
特にシューベルトの「アヴェ・マリア」が歌われている時、
何故だかわからないのだが自然と涙がこぼれ、自分のことながらびっくりしてしまった。

休憩後の後半はロシア民謡から始まった。
赤いサラファン、ともしび、コロブチカ、黒い瞳、トロイカ。
戦後すぐの時代に「うたごえ喫茶」で歌われ、みんな楽しんだと聞いている。
私は戦後生まれの団塊の世代の最後尾に属するので「うたごえ喫茶」はよく知らないが、
ダークダックスの歌うロシア民謡には馴染みがあり、どれもよく知っている歌であった。
聴いていて懐かしく、歌ととも青春時代が再び目の前に戻ってきたように感じ、楽しかった。
楽しんで聴いていてふっと思った。
ロシアの人は感情豊かな人たちだなぁと。
こんなにたくさんの人の心を惹きつける歌を持っているロシアの人々の心の豊かさや
そこでの生活、歌の背景などを思ったのだった。
モスクワに住んでいるサーシャのこともしきりに心に浮かんでは消え、消えては浮かんでいた。
明日このコンサートのことをメールで送ろうと思った。

宗教音楽、イタリア民謡、ロシア民謡、日本の歌、アメリカの歌、クリスマスソング。
ジャンルは広く、楽しい、ひと足早いクリスマスを楽しめたコンサートだった。
ナポリ民謡「サンタ・ルチア」の時は思わずナポリの街を思い出していた。







【プログラム】
J.S.バッハ = C.グノー:アヴェ・マリア
W.A.モーツァルト : アヴェ・ヴェルム・コルプス
F.シューベルト : アヴェ・マリア
J.S.バッハ : G線上のアリア
S.ラフマニノフ : 神の御母よ、喜べ
J.S.バッハ : ジョーク

G.ロッシーニ : 猫のデュエット
S.ラフマニノフ : イタリアン・ポルカ
R.ジェネ : イタリアン・サラダ
P.チャイコフスキー : ナポリの歌
イタリア(ナポリ)民謡 : サンタ・ルチア
L.デンツァ : フニクリ・フニクラ

ー 休憩 ー

ロシア民謡 : 赤いサラファン・ともしび・コロブチカ・黒い瞳・トロイカ
いずみたく : 見上げてごらん夜の星を (日本語で)
賛美歌 : アメージング・グレース
ベン.E.キング : スタンド・バイ・ミー
D.ペイチ & J.ポーカロ : アフリカ
C.ヴェラスケス : ベサメ・ムーチョ
クリスマスメドレー
I.バーリン : ホワイト・クリスマス
ロシア民謡 : カリンカ

【アンコール曲】
モスクワ郊外の夕べ
ともしび (日本語で)
ジェリコの戦い




by PochiPochi-2-s | 2017-12-03 23:38 | 音楽 | Trackback | Comments(2)
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楽器の名前も知らないのに、見た目と直感だけで
「やってみたい!」とおもい、ファゴットを手にした中学2年生の私。
「ファゴットを始めたよ!」と家族や友達、親戚に自慢しても、
みんな口をそろえて「ファゴット? なにそれ?」と言われていました。
ファゴットを知らない方、もちろん知って頂いている方にも、
オーケストラや吹奏楽でのファゴットとはまた一味違うソロ演奏で、
ファゴットの様々な魅力を思う存分楽しんでいただけるよう、
耳なじみの曲から本邦初演の新曲、ファゴットソロの名曲と、
プログラムをご用意いたしました。
これだけファゴットという文字を読んだらこの楽器の名前、
インプットされたことかと思います!
(プログラム Greetings より一部抜粋・常田麻衣・文)


久しぶりに兵庫県立芸術文化センターでのワンコイン・コンサートに行った。
ワンコインコンサートとは ワンコイン=五百円で地域の人々 が気軽に鑑賞できるよう計画されたコンサート。出演者としてはおもに兵庫・関西ゆかりの若手アーティストの登用が図られているという。

今日はファゴットのコンサートだった。
「えっ、ファゴットだけで1時間も? 珍しいなぁ。ところでファゴットとは?
どんな楽器やった?」
私もまたどんな楽器かよくは知らなかった。

興味津々でコンサートは始まった。
2000席を超える大ホールはほぼ満席。
演奏者自ら演奏する曲の説明や司会をしながらの演奏は大変だろうが、
演奏者の性格も知ることになり、なお一層演奏に興味が湧くことにもなる。
ピアノ伴奏で演奏されるファゴットの音は、柔らかく優しい音で心に響く音だった。
馴染みのある曲、初めて聴く曲とバラエティにとみ、1時間はあっという間に過ぎてしまった。
特に、3曲めの「独奏ファゴットの気まぐれ」の作曲者津田麻衣さんは、演奏者の高校時代の同級生でピアノ専攻の友人とのこと。
彼女のこのホールでの演奏会を記念して作曲してくれたという。
この兵庫県立芸術文化センターのホールでの演奏会は、(自身の司会によれば)高校時代の彼女たちの憧れでもあったらしい。
ファゴットの広い音域がよく表されていたように思った。
また、ファゴットという楽器の説明や指の使い方の説明までされ、十分楽しめたコンサートで、会場は最初から最後まで和やかな雰囲気だった。
いつの間にか私の心は弾んでいて、豊かな時間を過ごせた幸せを感じた日であった。

演奏者は 常田麻衣(つねだ まい)。
兵庫県立西宮高校音楽科から東京藝術大学に進んだ若い演奏家だった。



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ファゴット


【プログラム】
フート : 「大きな古時計」による変奏曲
ミラーズ : 「アルプス一万尺」による変奏曲
津田 万葉(まよ) : 独奏ファゴットの気まぐれ(初演)
ロッシーニ : ファゴット協奏曲
ヌシオ : ペツゴレージペルゴレージの主題による変奏曲

【アンコール曲】
シューマン : ミルチの花 op. 25より「献呈」


ロッシーニ・ファゴット協奏曲をどうぞ。





by PochiPochi-2-s | 2017-11-10 23:33 | 音楽 | Trackback | Comments(6)
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(友人Hさんの「和紙ちぎり絵」2016年作)


今日も午後から時間を見つけ、
お気に入りのフジ子・ヘミングのピアノ曲を聴きながら、
昨日の続きのガマズミの絵を描き始めた。
描いているうちに、
最近この友人の作品を部屋に飾り「いよいよ秋深しだなぁ」と思ったのを、ふっと思い出した。
私の住んでいる町は周囲にまだまだ田や畑が多いので、河原や家の庭先に柿の木が植えられているのをよく見かける。そしてこの頃はその柿の木の枝に柿の実がたわわになっている。
昨年友人Hさんからプレゼントされたこの「柿の和紙ちぎり絵」は、そのような風景を思い出させてくれ、「季節はもう秋だなぁ」と季節をしみじみと感じさせてくれる。
そして そのちぎり絵を見ながら、もう一人の友人Yさんのこともふっと心に浮かんだ。
「そろそろ柿の時期だなぁ。Yさんどうしているかなぁ。体調はどうかなぁ。
元気にしているだろうか。明日にでもメールをしてみよう」
彼女の庭に植えられているそのみごとな柿の木も思い出したのだった。


フジ子・ヘミングの音楽をどうぞ。
(YouTubeから)

リスト「ラ・カンパネラ」



リスト「愛の夢」




by PochiPochi-2-s | 2017-10-24 23:35 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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「久しぶりのコンサートだというのに… ついてないあなぁ。
やっぱり雨男か。出かけるときはいつも雨になるから。
晴れ女のあんたと一緒やから少しは晴れると思ったんやけど…」

昨夜の天気予報どおり朝から雨が降っていた。

「東欧・ロシア音楽の魅力」
この言葉に魅かれ申し込んだコンサートだった。
コダーイとバルトーク。普段あまり聞きなれない音楽。
『躍動する音楽、アンデルシェフスキーが奏でるハンガリーの魂』
パンプレットに書かれていた言葉。
いったいどのような音楽なのだろうか?
興味津々でいそいそと出かけた。


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雨が激しくならないうちにとすこし早めに家を出た。
開演一時間前にはすでに会場に着いていた。
エレベーターに乗ろうとしたとき、突然弦楽器の音が聞こえ、音のする方へ。
弦楽器の4人の演奏者たちが開演前にホワイエ一階でミニコンサートを開いたのだった。
日頃の演奏活動に対する温かい励ましへの感謝の気持ちだと言っていた。
全く知らなかったのだが、今回はPAC定期演奏会の第100回目の記念演奏会だった。
普段からよく耳にする馴染みの曲で10分ほどだったが楽しい思いに浸れた。

演奏会は3:00PMきっかりに始まり、
『ハンガリーの魂』を表すと表現された音楽が始まった。
普段よく耳にするドイツやウィーンの音楽とは違い、何か雄大な景色が心の中に浮かんでは消えていった。以前旅行したチェコやハンガリーの景色が心の中に浮かんでは消えていった。特に、アンコールで演奏された曲・チャイコフスキー「白鳥の湖」より"ハンガリーの踊り"は 、一気に私をハンガリー郊外の森の中にあったフォークロアーレストランに連れていった。そこでは、食事をしながらハンガリー音楽の舞曲を楽しんだのだった。


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約2時間余りの演奏会は、終わってみればあっという間だった。
雨が激しくならないうちにと急いで帰ったが、電車の中で「普段は自分の好きな曲しか聴かないが、たまにはほとんど知らない音楽を聴くのもまたいいものだなぁ」と満足している自分に気がついた。

家に帰り着くと雨はさらに激しくなってきた。
今日は晴れ女の私の力があまり効かなかったようだ。
明日も雨らしい。

【プログラム】
コダーイ : ガランタ舞曲
バルトーク : ピアノ協奏曲 第3番
プロコフィエフ : 「ロメオとジュリエット」組曲より

アンコール曲
( ピアノ) ベートーベン : 6つのバガテル op.126よりNo.1
(オーケストラ) チャイコフスキー 「白鳥の湖」より"ハンガリーの踊り"

管弦楽 : 兵庫芸術文化センター管弦楽団 (PAC)


ベートーベン・6つのバガテル




チャイコフスキー「白鳥の湖」より"ジプシーの踊り"






by PochiPochi-2-s | 2017-10-06 23:46 | 音楽 | Trackback | Comments(4)
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午後3時きっかりに始まったコンサート。
プログラム第2番目、ホルン協奏曲 第2番の演奏のためにゲストホルン奏者が会場に現れた。
その瞬間、会場はシーンと静まりかえった。
まるで息を飲んだような感じだった。
ホルン奏者は生まれつき両腕が無いにも関わらず、両脚を巧みに使って演奏をする青年だった。
両脚を巧みに使って演奏するその見事な演奏の姿に、私だけではなく会場全体が圧倒されたように感じた。彼の出す音の柔らかさに思わず惹きこまれてしまった。
演奏は器具にホルンを固定し、足の指でバルブを操ってする。
障害を物ともせず、手の代わりに両脚で堂々と演奏するその姿、吹き出される柔らかい優しい音に心をうたれた。気がつくと涙ぐんでいる自分がいた。
約14分の演奏があっという間に終わってしまったように感じたのだった。
会場には割れんばかりの拍手が鳴り響き、ブラボーの声があちこちから飛んだ。
PACオーケストラの団員でさえ全員が壇上で拍手喝采だった。
会場の熱心な求めに応じたアンコールもまたすばらしい演奏だった。
彼がこれまでしてきた努力は並大抵のものではなかったはず。
"人の心を打つ"とはこういうことなのだろう。
障害を引け目に感じず、堂々と演奏するその姿に、彼の両親が、もしこの会場にいるならば、どのようにして彼を育てたのか一人の母親として聞いてみたい気がした。
人間の持つ能力のすばらしさに改めて感動したのだった。
パンフレットには"奇跡の演奏"と書かれていたが、まさしく奇跡の演奏だと思った。
心豊かな時間を過ごせた幸せに感謝したくなるような時間だった。

YouTubeで彼の演奏を見つけたのでここに載せておきたいと思う。

フェリックス・クリーザー



【プログラム】
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
交響曲 第1番 変ホ長調 K.16
ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
セレナード 第9番 ニ長調 K.320

《アンコール曲》
(ホルン)
サン=サーンス : ロマンス
(オーケストラ)
モーツァルト 3つの行進曲 第3番 ハ長調

指揮 : ユベール・スダーン
ホルン : フェリックス・クリーザー
管弦楽 : 兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(PAC)



by PochiPochi-2-s | 2017-06-17 23:25 | 音楽 | Trackback | Comments(6)
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19:00開演と同時に、
兵庫県立芸術文化センターの神戸女学院小ホールに若いエネルギッシュな演奏が流れた。
久しぶりの小ホール。小さいが音響は抜群。何よりも演奏者を間近で見ることができ、その息づかいまでも感じることができる。演奏者と会場が一体となるのが手に取るようにわかる会場である。約400席の会場はほぼ満席だった。

「PACオーケストラリサイタルシリーズって?」
そう思って申し込んだのが3月半ば過ぎだった。
Web siteによると、
〈毎年恒例、シーズンの最初に行われる団内オーディションで選ばれたPACメンバーによる特別リサイタル〉と説明されていた。
今回の登場者は、PAC2年目のコントラバス奏者=浅野宏樹さんと、昨年9月入団のオーボエ奏者=吉村結実(ゆみ)さんの二人だった。
たまたま二人とも大阪出身、しかもコントラバスの浅野さんは 地元西宮市からすぐ近くの池田市出身だった。そんな若い二人に、全く知らないとは言え、何となく親しみを感じるのは大阪人独特の贔屓感情なのだろうか。演奏会は和やかなムードで始まったのだった。

前半の1時間は浅野さんのコントラバス演奏。
「コントラバスってこのような音なのか」
チェロの音は知っていてもコントラバスの音は知らなかった素人の私には、その奏でられる音が優しく聞こえたのだった。ピアノ伴奏の音ともよくあっていた。
心地のよい音色にいつの間にか曲の中に引き込まれていった。

後半の1時間は吉村さんのオーボエの演奏。ピアノ伴奏で吹くオーボエの独奏。
「ええっ、オーボエの独奏ってこんなにエネルギッシュなん?」
その吹き出される柔らかい音に似合わず、演奏している姿は力強く、エネルギッシュだった。息を吸い込む音まで聞こえてくる間近での演奏会。
始まるとすぐにその音に引き込まれてしまった。
彼女の発する若さのパワーを浴び、こちらまで元気をもらえるような演奏だった。
ただ一言、「すごいなぁ…」。
ブラボーの声が会場のあちこちから飛び、拍手がなり渡った。

アンコールもいうまでもなくすばらしかった。
最初はオーボエの独奏で、続いてせっかくだからとコントラバスの浅野さんも加わって
ピアノとの3人での演奏。
会場に大きな拍手が鳴り響いたのはいうまでもないことだった。

若さ溢れる演奏スタイルと音色に心満たされた時間、まさに"至福の時"を持つことができた。これからもこのような心が豊かに感じられる日をできるだけ多く持ちたいなあと秘かに思ったのだった。

帰り際、会場出入り口のところに演奏者二人が並び、駆けつけた友人たちと談笑し、一緒に写真を撮っている姿は見ていて微笑ましく、「若いっていいなぁ」と少々羨ましくも思ったのだった。

【プログラム】
• 浅野宏樹 (コントラバス)
グリエール : 2つの小品「間奏曲」と「タランテッラ」
シューベルト : アルペジォーネ・ソナタ イ短調 D.821

•吉村 結実 (オーボエ)
テレマン : 12のファンタジーより第8番 ホ短調 TWV40:9
パスクリック : ドニゼッティの歌劇「ポリウート」の主題による幻想曲
ブリテン: 世俗的変奏曲

《アンコール曲》
・吉村結実
シューマン : 献呈
・吉村結実 & 浅野宏樹
ラフマニノフ : ヴォカリース



by PochiPochi-2-s | 2017-06-10 23:40 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
28日午後からはいつものコンサートホールでのコンサートに出かけた。
第96回PACオーケストラ定期演奏会。
指揮 : 下野 竜也
ハープ : 吉野 直子


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このコンサートの案内パンフレットが送られてきた時、ギター演奏でよく聴いているアランフェス協奏曲がギターの代わりにハープで演奏されると知り、どのような感じの演奏になるのだろうと興味津々で申し込んだのだた。

会場でもらったプログラムに、今回アランフェス協奏曲をハープで演奏する吉野直子さんへのインタビューが載っていた。
その中に次のような言葉があった。
「ハープ版の魅力は、ギターよりも音量と響きが豊かな分だけ、より空間や響きの拡がりを感じることができる点だと思います。有名な第2楽章では、ソリストとオーケストラがメロディと伴奏を受け持つのですが、特にこの楽章でハープの魅力が発揮されます。あとは、曲全体を通じて、ギターよりも華やかな印象がますように思います」

ギターのために作られた曲をハープで弾くと、曲全体の感じはどのように違ってくるのだろうか?
誰もが興味を持つところだろう。
演奏が始まるとすぐに吉野さんの演奏にひきこまれていった。

吉野直子さんが言われるように、確かにギターに比べ音量、響きが豊かで華やかである。
しかし演奏される音は優しすぎる。
ハープについて全く素人の私なのでなんとも言えないのだが、
ギター演奏に比べると、限りなく優しい音の響きのように感じたのだった。
ギター演奏からの方が、あのフラメンコダンスの醸し出すスペインの持つ雰囲気や力強さ、過去への郷愁を感じることができるように思った。

不思議なことに、アランフェス協奏曲を聴いていると、かつて訪れたスペインの町、人、風景などが次から次へ浮かんできた。アルハンブラ宮殿やその中にある美しい池の水面がきらめく様子を思い出しながら聴いていた。幸せに感じる時間であった。

休憩を挟んでの後半は、ブルックナーの交響曲第6番。
全く知らない曲で私には重すぎるように感じ、約1時間近くの演奏は少々疲れたのだった。
これからはもう少しプログラムを考えて選ばなければと少々反省もしたのだった。

【プログラム】
ロドリーゴ : アランフェス協奏曲 (約23分)
ブルックナー : 交響曲第6番 イ長調 (約55分)
《ソリストアンコール》
トゥルニエ : 朝に



アランフェス協奏曲・第2楽章









by PochiPochi-2-s | 2017-05-30 23:40 | 音楽 | Trackback | Comments(4)
今日は昨夜からの雨と風が一日中続いた。
一昨日(5/11)は主人の71歳の誕生日だった。
孫のハルちゃん(中1・孫でひとりだけ携帯を持っている)や子どもたちからのお祝いメールに
嬉しさいっぱいの午前中を過ごした後、午後からはコンサートに出かけたのだった。


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「みなさん、きょうは私たちのためにわざわざこのホールまで足を運んでくださってありがとうございます。私はタイール・キサンベイエフと言います。モスクワ出身でヴァイオリンを弾きます。去年の9月に日本に来てPACオーケストラで弾いています。きょうは一生懸命演奏しますのでよろしくお願いします。私たちの演奏を楽しんでください」
「私は エリナ・ファスキと言います。私もモスクワ出身でチェロを弾きます。私も去年の9月に日本に来て PACオーケストラのメンバーになりました。今日はよろしくお願いします」

一曲目の、ヘンデル「パッサカリア」の演奏が終わった後、二人はたどたどしい発音の日本語で自己紹介をし、次の曲の解説をした。
わずか一年足らずの間に覚えたにしては上手だと思える日本語で、コンサートの最後まで通訳もつけず、そのたどたどしい日本語で通したのには感心した。

ワンコイン・コンサートは演奏者が司会をしながら演奏する形式で行われる。
演奏者の個性によって楽しくなったり、会場が盛り上がったりする。
客席と一体化し、その雰囲気が舞台上の演奏者にひしひしと伝わるという。
その結果、通常1曲だけのアンコール曲が2曲、3曲になる時が時々ある。
演奏者も客席もノリに乗った時、往々にしてそうなるらしい。
私も今までに2、3度は経験している。

タイトルに『ヴァイオリンとチェロの"四季"』と書かれていたが、
チャイコフスキーの《四季》とビアソラの《ブエノスアイレスの四季》を
二人の弾くヴァイオリンとチェロのデュオで聴いた。
もちろんピアノ伴奏を伴っていた。

二人の呼吸はピッタリと合っていて 聴いていてなんとも穏やかな心和む演奏であるように思った。
目を閉じて演奏される音だけを聴いていると、映画やドラマの名場面やかつて訪れたことのある風景が自然と心に浮かんできたのだった。

チャイコフスキーもよかったが、私にはビアソラの《ブエノスアイレスの四季》の方により惹きこまれた。
タイールさんの言葉によると、
Ⅰ.ブエノスアイレスの春 は若者(青年期)を表し、Ⅱ ブエノスアイレスの夏は壮年期、
Ⅲ.ブエノスアイレスの秋とⅣブエノスアイレスの冬は老年期を表す。
アルゼンチンタンゴのリズムがなんとも魅力的だった。

何故かこの曲は知っていた。
「ああ、そうだった。フィギアスケーターの高橋大輔選手がこの曲に乗ってフリープログラムを滑ったのだった」
家に帰ってからやっと思い出したのだった。

アンコール曲もやはりビアソラのオブリビオン(忘却)だった。
二人はよほどアルゼンチンタンゴが好きなんだなぁと思ってしまった。
あとで知ったのだが、この二人は夫婦だった。

家に帰ってからモスクワのサーシャにメールを送ったのはいうまでもないことだった。
彼女の返事はまだ返ってこない。
きっと忙しく過ごしているのだろう。
返事が楽しみだ。


《ブエノスアイレスの冬》




《フィギアスケーター高橋大輔のブエノスアイレスの四季》



《チャイコフスキー・四季・4月 松雪草》





《ビアソラ・オブリビオン(忘却)》




【プログラム】
ヘンデル : パッサカリア
チャイコフスキー : 《四季》より 4月 松雪草・6月 舟歌・10月 秋の歌・12月トロイカ
ビアソラ : ブエノスアイレスの四季 Ⅰ 春・Ⅱ 夏・Ⅲ 秋・Ⅳ 冬

《アンコール曲》
ビアソラ : オブリビオン(忘却)




by PochiPochi-2-s | 2017-05-13 18:09 | 音楽 | Trackback | Comments(2)
今日は4月30日。今日1日で4月も終わり。
考えてみれば2月14日のエイちゃん誕生以来落ち着いて日を過ごすことはなかったような気がする。予定をこなす中でも、心のどこかでいつもエイちゃんのことが気にかかっていたのだろう。いつの間にかひな祭りが終わり、いつの間にか桜が咲き、いつの間にか桜が散ってしまった。そんな感じである。今日の退院予定も、お兄ちゃんのリョウちゃんが風邪気味ということで2、3日延期となってしまった。まあなるようにしかならず、万全の体制で迎えたほうがいいだろうとは思うが、なんとなく疲れがたまってきた最近である。

さてそんな中、昨日は午後から 今月の予定の一つ、レミ・ジュニエ ピアノ・リサイタルに行ってきた。


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午後2時ジャストに演奏が始まった。
プログラム1番は、ヘンデル『クラヴィーア組曲』。
最初のタッチで彼の弾く音にひきこまれてしまった。
「えっ、これがピアノの音?」
そう思うほど柔らかく、繊細で美しい。まるでハープシコードから流れるような雰囲気の音だった。この中の第4曲サラバンドは映画音楽にも使われ有名である。

それからの1時間半余りの間、この初めて聴く、フランスの若手演奏家、レミ・ジュニエの弾く音に魅了されてしまった。
一週間前の演奏会は最悪だったが、今日は心から楽しめる演奏会。
ピアノの音が好き、ピアノ単独の演奏会、しかも演奏される曲はほとんど知っていて馴染みのある曲ということが、私をリラックスさせ、楽しませてくれたのだろう。

会場は兵庫県立芸術文化センター神戸学院小ホール
この演奏会場は、8角形の形で舞台を客席が取り囲む、アリーナ形式という独特な形式のホール。417席。演奏家の息づかいまで聞こえると言われているが、逆に演奏家にとっては聴衆の息づかい、どれだけ自分に注目して演奏を聴いてくれているかという聴衆の気持ちや客席の雰囲気まで手に取るようにわかるのではないかと思うような会場である。以前一度ここで古楽器による室内楽演奏を聴いたことがあるが、心地のよいホールである。演奏家の気持ちと聴衆の気持ちが一致したとき、素晴らしい演奏会になるのだろうと思う。

プログラム最後の曲ベートーベンの『月光』には 特に 心を掴まれてしまったような気がした。
プログラムの解説によると、「月光」のサブタイトルはベートーベン自身が付けたものではなく、ドイツの詩人レルシュタープが1832年に、この曲の第1楽章を「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と表現したところに始まるらしい。
ルツェルン湖を思い出しながら聴いたのはいうまでもない。
イメージとは ある意味 恐ろしいものだと思った。

日頃の忙しさを忘れ、好きな音楽を聴ける時間。
こんな時合わせな時間をこれからも持ち続けたいと思った日だった。






《プロフィール》
パリ国立音楽院で学ぶ。エコール・ノルマル音楽院へ進んだ後、ボンの国際ベートーヴェン・ピアノ・コンクールで史上最年少入賞、2013年のエリザベート王妃国際コンクール第2位になる。2015年、ニューヨークのヤング・コンサート・アーティスト国際オーディションで優勝。2015年、デビュー・アルバムとしてオール・バッハにCDを発売。絶賛され、ディアパゾン・ドールを受賞、その年の優れたCDに贈られるディアパゾン・ドール・オブ・ザ・イヤー賞にも輝いた。

【プログラム】
ヘンデル : クラヴィーア組曲 HWV437
J.S.バッハ : パルティータ 第4番 BWV82ディアパゾン・ドールを受賞
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第2番
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ 第14番 「月光」

〈アンコール曲」
ショパン:マズルカ op.17-4
クライスラー/ラフマニノフ編曲:愛の悲しみ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第9番 op.14-1 より 第2楽章







by PochiPochi-2-s | 2017-04-30 13:20 | 音楽 | Trackback(1) | Comments(2)
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久しぶりのコンサート2回目は、
先週の土曜日(15日)のユベール・スダーン「モーツァルトの旅」に続き、
今日は 現在大阪フィルハーモニー交響楽団トップ奏者として活躍している、
8歳から25歳までの17年間をイギリスで過ごしたヴィオラ奏者・木下雄介さんの
イギリス情緒たっぶりなワンコイン・コンサートだった。

この芸術文化センターのワン・コインコンサートは、
「お茶にする? コンサートにする? ちょっと芸文(芸術文化センター)まで」や
「500円で気軽に楽しむ1時間」のキャッチコピーで人気のコンサートである。
普段着でちょっと気軽に立ち寄って本格的な音楽を聴けるといのは本当に嬉しいことである。かなりの高齢の人たちも、夫婦であるいはひとりで、または友人たちと一緒に音楽を楽しんでいる。その光景は見ていてこちらの心も楽しくなり、会場には豊かな時間が流れている。関西出身の指揮者・佐渡裕さんが芸術監督だということも関西人の心を掴んでいるのかもしれないなぁと思ったりもしている。

11時30分 、馴染みの エルガー「愛の挨拶」でコンサートは始まった。
それから1時間余り、演奏者が司会も兼ねて、曲の説明やその曲への演奏者自身の思
いを時にはジョークを交えて話しながら、最後のボーエン: 幻想曲まで5曲を演奏し
た。イギリスの作曲家の曲は ドイツ、オーストリア、フランス、イタリアの曲のよう
に華やかさや煌びやかさはないが、それだけに柔らかくしっとりと落ち着いた感じがし、何かしら懐かしさを覚える気がした。華やかなヴァイオリンの音ではなく、ヴィオラの音色にぴったりと合うように思った。彼の話の中で言われていた「イギリスではヴィオラ奏者が多い」ということにもうなずけるような気がしたのだった。

4曲目のヴォーン・ウィリアムズ:「グリーンスリーブス」による幻想曲が流れ始める
とすぐに、あの緑の牧草で覆われたのんびりとした空気が流れるイギリスの田園風景が心に浮かび上がってきた。かつて訪れ、あまりの美しさに心を奪われたあの田園風景の中を流れる風を感じたような気がした。湖水地方やヨークシャーの風景、コッツウォルドの村々の中を流れる風を。どういう訳かターナーの絵も思い出していた。
アンコール曲は「ロンドンデリーの歌」だった。
演奏が始まると、会場のどこからか歌声やハミングが聞こえてくるような雰囲気になった。それほどこの曲はみんなに親しまれている曲なのだろう。私もつい懐かしく、思わず口ずさみそうになったのだった。
この曲 「Londonderry Air」(ロンドンデリーの歌)は、アイルランドの民謡で、イギリス領北アイルランドでは事実上の国歌としての扱いを受けているという。アイルランド移民の間でも人気が高い曲で、世界で最も広く親しまれているアイルランド民謡の一つである。また、この曲には実に様々な歌詞がつけられ歌われているが、中でも特に「ダニー・ボーイ」のタイトルがついた歌が有名である。

「ヴィオラで紡ぐ イギリス紀行」のタイトルどおりのイギリス情緒たっぶりな演奏会だった。
イギリスの風景が大好きな私には心楽しい、豊かな一時間だった。


「今日はヴィオラという楽器の演奏会なのに こんなにたくさんの人が聴きに来てくださって、そして一生懸命聴いてくださってありがとうございます。ここで弾いている
と皆様の気持ちがよく伝わって来ます。ほんとうに気持ちよく演奏することができました。どうもありがとうございました」

演奏会の最後の木下雄介さんの言葉である。

あらためて「いい演奏会だったなぁ」と思ったのだった。




グリーンスリーブスによる幻想曲





ロンドンデリーの歌
(ダニー・ボーイ)





【プログラム】
エルガー : 愛の挨拶
エルガー : ため息
ブリテン : ラクリメ 〜 ダウランドの歌曲の投影
ヴォーン・ウィリアムズ : 「グリーンスリーブス」による幻想曲
ボーエン : 幻想曲

【アンコール】「ロンドンデリーの歌」





by PochiPochi-2-s | 2017-04-18 20:41 | 音楽 | Trackback | Comments(8)

生きている喜びを感じられるように生活したい


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