感動! - ホルン奏者と奏でられる音 -

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午後3時きっかりに始まったコンサート。
プログラム第2番目、ホルン協奏曲 第2番の演奏のためにゲストホルン奏者が会場に現れた。
その瞬間、会場はシーンと静まりかえった。
まるで息を飲んだような感じだった。
ホルン奏者は生まれつき両腕が無いにも関わらず、両脚を巧みに使って演奏をする青年だった。
両脚を巧みに使って演奏するその見事な演奏の姿に、私だけではなく会場全体が圧倒されたように感じた。彼の出す音の柔らかさに思わず惹きこまれてしまった。
演奏は器具にホルンを固定し、足の指でバルブを操ってする。
障害を物ともせず、手の代わりに両脚で堂々と演奏するその姿、吹き出される柔らかい優しい音に心をうたれた。気がつくと涙ぐんでいる自分がいた。
約14分の演奏があっという間に終わってしまったように感じたのだった。
会場には割れんばかりの拍手が鳴り響き、ブラボーの声があちこちから飛んだ。
PACオーケストラの団員でさえ全員が壇上で拍手喝采だった。
会場の熱心な求めに応じたアンコールもまたすばらしい演奏だった。
彼がこれまでしてきた努力は並大抵のものではなかったはず。
"人の心を打つ"とはこういうことなのだろう。
障害を引け目に感じず、堂々と演奏するその姿に、彼の両親が、もしこの会場にいるならば、どのようにして彼を育てたのか一人の母親として聞いてみたい気がした。
人間の持つ能力のすばらしさに改めて感動したのだった。
パンフレットには"奇跡の演奏"と書かれていたが、まさしく奇跡の演奏だと思った。
心豊かな時間を過ごせた幸せに感謝したくなるような時間だった。

YouTubeで彼の演奏を見つけたのでここに載せておきたいと思う。

フェリックス・クリーザー



【プログラム】
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
交響曲 第1番 変ホ長調 K.16
ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417
セレナード 第9番 ニ長調 K.320

《アンコール曲》
(ホルン)
サン=サーンス : ロマンス
(オーケストラ)
モーツァルト 3つの行進曲 第3番 ハ長調

指揮 : ユベール・スダーン
ホルン : フェリックス・クリーザー
管弦楽 : 兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(PAC)



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Commented by linden2151026 at 2017-06-18 04:44
本当に素晴らしいですね。
それに心に響く音。感動の言葉はこんな時に使うのでしょうね。
ありがとうございました。
Commented by jarippe at 2017-06-18 11:22
演奏を聴きながら・・・・
素晴らしいですね ホント会場にいたら泣けそうです
その泣くのも失礼かななんて思ってしまうけれど
何の違和感もなく 違和感を持つのはほんと失礼ですよね
沢山の努力苦難を越えた成果の輝きですね それがご本人にとっては
普通の事になっているんですものね ここまでのドキュメントを知りたいですね胸に迫るものがありますね
部活でクラリネットをやっている孫に見せてやろうと思います
Commented by sternenlied2 at 2017-06-18 16:50
拙ブログにいただいたコメントへのレスにも感想は書いておりますが、
本当に映像で聴いているだけでもこれほどの感動、
直に聴いた演奏は魂の奥底にまで浸透することでしょうね。
Felix Klieser氏、1991年にお生れで26歳ですね。
まだ20代の半ばの若さだというのに、この堂々とした落ち着き、
音楽的にも人生でも今後の更なる成長と活躍が期待されますね。
4歳の時からホルンに魅せられて、5歳の時に最初のレッスンを受けたそうです。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-06-19 00:05
☆ lindenさん

感動!
この一言でした。
今日も朝から二人で何度も話していました。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-06-19 00:15
☆ jarippeさん

音も魅力的で、心に響きましたが、何よりも堂々とした姿が印象的でした。
昔初めてスイスに行ったとき、障害を持つ子供を連れハイキングをしていた
家族と出会いました。かなりの重い障害でしたが、人目も気にせず楽しそうに
ハイキングをしているその様子に感動したものでした。
日本でならきっと子供を隠して家の中に閉じ込めておくだろうにと。
そのことを思い出しながら聴いていました。
どのような教育を受けたのでしょうね。
本当に聞いてみたいです。
主人も言ってました。
「ハルやアサヒもここに連れてきたかったなぁ」と。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-06-19 00:29
☆ sternenliedさん

コメントありがとうございます。
感動!
この一言に尽きると。
音もさることながらら、ごく自然に振る舞う彼の堂々たる態度に、
健常者である私が圧倒されました。
障害を持った人たちに対する親の態度、周りの人たちの理解、教育方法等
日本はヨーロッパ社会にまだまだ追いつかないと思いました。
日本にはごく普通に受け入れる土壌がないと思います。
どにいうな教育をしたのだろうかと、聞いてみたい気がしましたよ。

ドイツ人だからそちらで聴く機会があるかもしれないですね。
その時は会場にぜひ足を運んで直に聴いてみてください。
きっと感動すると思いますよ。
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by PochiPochi-2-s | 2017-06-17 23:25 | 音楽 | Trackback | Comments(6)

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