「四人ぽっち」欧羅巴ズッコケ家族の旅(1982年・夏)(35)

今年に入り「さあ続きを」と思いながら予期せぬことが起こり、今まで延び延びになってしまった。
いちおう落ち着いたのでまた続きを始めようと思う。
冬の間に夏の話をと思っていたが、もうすぐ夏がやってくる。



一、花都(フィレンチェ)の西瓜

8月5日(木)、日本を立って二週間が過ぎた。
旅の疲れもそろそろ出てくるところだが、「外国」で しかも言葉の障壁がかえって気を引き締め、疲れを感じさせないから不思議である。
気候も各国さまざま。セーターを羽織ったかと思えば、裸同然の出立ち。それでも湿気がないせいか、エアコン無しでも快適に過ごせるのは有難い。
"ペンショーネ・セントラーレ"(ホテル名)は、フィレンチェ駅から歩いて約10分。メディチ廟(びょう)、「サンロレンツォ教会」の丸屋根が、窓から眺められる ー 町の中心に位置する。
ホテルから一歩外に出ると雑踏の真只中。露天の犇(ひし)めく「サンロレンツォ広場」だ。
しかし、一歩ホテルに踏み込めば静寂の世界。教会の鐘の澄んだ音色が心を和(なご)ませてくれる。


「ああ、おいしッ!」
「こんなおいしいスイカはじめて」
「サンロレンツォ広場」の出店は、土産物、古着、カバン、古道具、その他種々雑多な品物が山積みされている。
その露天の一つに、西瓜の切り売りに忙しいおじさんがいる。
彼の包丁にかかると、大きな西瓜の玉がものの見事に薄切りにされ、赤い実が鮮やかに売り台を賑わす。
一切れ、1000リラ(役200円)。
なつかしい日本の夏の味をフィレンチェで味わえるとは夢にも思わなかった。
農家育ちの妻が、下宿した時一番驚いたことは、都会(まち)では西瓜を切り売りしていることだったという。
畑にころがっている玉を井戸につけて冷やし、割って食べることが常だったそうだ。


「フィレンツェのスイカ、おいしかった!」といまだに子供たちは言う。
日に透かせば向こうの見えそうな芸術的な薄切り。でも、味の記憶は厚く、強烈だからおもしろい。


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もっちゃんの絵



二、ショッピング

「サンタ・マリア・デル・フィオーレ」(花の大聖堂)の東隣に小さな美術館がある。その名を「ドゥオモ美術館」という。
ミケランジェロ作の彫刻(レリーフ)が所狭しと展示されているのには驚く。
小さなものから大きな像までなんの制約もなく鑑賞できることは感激だ。フィレンツェを貫流するアルノ川には数本の橋がかかっている。
その一つ、ベッキオ橋は有名だ。両側には小さな店が軒を連ねている。
聖堂から橋までの散策は実に楽しい。中世の石造りの建物、それに石畳。まるでシェイクスピアの劇「ヴェニスの商人」や映画「ローマの休日」の舞台である。
「このカメオは、品質保証の品物。彫りといい、金飾りといい本物の手造り。最級品です」
ひやかしで入った店の主人の熱心なすすめについつい乗せられ記念に小さなカメオ一つ買った。
「結婚指輪」交換の儀式を省いたつけが回ってきたということか。
値切って78$(約2万円)也。今も大切に、出かける時には服につけ、思い出に浸っているらしい。


「左利きの人の財布ありますか?」
「?????」
ホテル近くは、革製品を販売するみせが5〜6軒ある。餞別を弾んでくれた妻の母への義理もあり尋ねてみた。
三つ四つ出された財布は全て左利き用だ。主人に言わせると別誂でもなく、左利き用、右利き用の区別などないと首をかしげる。
あった!左利きのが……。頼まれたものがあったので一安心。
「このバッグいかがです。ブランドものではありませんが高級品ですよ」と商売上手な店主の言葉につい財布の紐が緩み土産に三つ購入。(続く)


【あのね日記】
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《古いアルバムより》
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ドゥオモ美術館で



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ヴェッキオ橋で買ったカメオ
ブローチ兼ペンダントトップ


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by PochiPochi-2-s | 2017-05-20 20:57 | 「四人ぽっち」欧羅巴 ズッコケ家族の旅 | Trackback | Comments(0)

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