イギリスを感じた一時間 - 木下雄介ヴィオラコンサート -

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久しぶりのコンサート2回目は、
先週の土曜日(15日)のユベール・スダーン「モーツァルトの旅」に続き、
今日は 現在大阪フィルハーモニー交響楽団トップ奏者として活躍している、
8歳から25歳までの17年間をイギリスで過ごしたヴィオラ奏者・木下雄介さんの
イギリス情緒たっぶりなワンコイン・コンサートだった。

この芸術文化センターのワン・コインコンサートは、
「お茶にする? コンサートにする? ちょっと芸文(芸術文化センター)まで」や
「500円で気軽に楽しむ1時間」のキャッチコピーで人気のコンサートである。
普段着でちょっと気軽に立ち寄って本格的な音楽を聴けるといのは本当に嬉しいことである。かなりの高齢の人たちも、夫婦であるいはひとりで、または友人たちと一緒に音楽を楽しんでいる。その光景は見ていてこちらの心も楽しくなり、会場には豊かな時間が流れている。関西出身の指揮者・佐渡裕さんが芸術監督だということも関西人の心を掴んでいるのかもしれないなぁと思ったりもしている。

11時30分 、馴染みの エルガー「愛の挨拶」でコンサートは始まった。
それから1時間余り、演奏者が司会も兼ねて、曲の説明やその曲への演奏者自身の思
いを時にはジョークを交えて話しながら、最後のボーエン: 幻想曲まで5曲を演奏し
た。イギリスの作曲家の曲は ドイツ、オーストリア、フランス、イタリアの曲のよう
に華やかさや煌びやかさはないが、それだけに柔らかくしっとりと落ち着いた感じがし、何かしら懐かしさを覚える気がした。華やかなヴァイオリンの音ではなく、ヴィオラの音色にぴったりと合うように思った。彼の話の中で言われていた「イギリスではヴィオラ奏者が多い」ということにもうなずけるような気がしたのだった。

4曲目のヴォーン・ウィリアムズ:「グリーンスリーブス」による幻想曲が流れ始める
とすぐに、あの緑の牧草で覆われたのんびりとした空気が流れるイギリスの田園風景が心に浮かび上がってきた。かつて訪れ、あまりの美しさに心を奪われたあの田園風景の中を流れる風を感じたような気がした。湖水地方やヨークシャーの風景、コッツウォルドの村々の中を流れる風を。どういう訳かターナーの絵も思い出していた。
アンコール曲は「ロンドンデリーの歌」だった。
演奏が始まると、会場のどこからか歌声やハミングが聞こえてくるような雰囲気になった。それほどこの曲はみんなに親しまれている曲なのだろう。私もつい懐かしく、思わず口ずさみそうになったのだった。
この曲 「Londonderry Air」(ロンドンデリーの歌)は、アイルランドの民謡で、イギリス領北アイルランドでは事実上の国歌としての扱いを受けているという。アイルランド移民の間でも人気が高い曲で、世界で最も広く親しまれているアイルランド民謡の一つである。また、この曲には実に様々な歌詞がつけられ歌われているが、中でも特に「ダニー・ボーイ」のタイトルがついた歌が有名である。

「ヴィオラで紡ぐ イギリス紀行」のタイトルどおりのイギリス情緒たっぶりな演奏会だった。
イギリスの風景が大好きな私には心楽しい、豊かな一時間だった。


「今日はヴィオラという楽器の演奏会なのに こんなにたくさんの人が聴きに来てくださって、そして一生懸命聴いてくださってありがとうございます。ここで弾いている
と皆様の気持ちがよく伝わって来ます。ほんとうに気持ちよく演奏することができました。どうもありがとうございました」

演奏会の最後の木下雄介さんの言葉である。

あらためて「いい演奏会だったなぁ」と思ったのだった。




グリーンスリーブスによる幻想曲





ロンドンデリーの歌
(ダニー・ボーイ)





【プログラム】
エルガー : 愛の挨拶
エルガー : ため息
ブリテン : ラクリメ 〜 ダウランドの歌曲の投影
ヴォーン・ウィリアムズ : 「グリーンスリーブス」による幻想曲
ボーエン : 幻想曲

【アンコール】「ロンドンデリーの歌」





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Commented by haru_rara at 2017-04-18 23:03
父の見舞いから帰った今夜、父の好きな「ダニーボーイ」に会えてびっくり、嬉しい気持ちで聴きました。
ありがとうございました。
Commented by sternenlied2 at 2017-04-19 00:04
イギリスやアイルランドの楽曲って大好きです。
何だかとても心に染み入ってきますよね。
私も近くだったら、こういうコンサートに是非行ってみたかったですね。
気楽に聞けるコンサートっていうところがいいです^^
Commented by jarippe at 2017-04-19 06:43
ロンドンデリーの歌を聴きながら・・・・・
ワンコインコンサートなんですね
素敵ですねー  こういう小さな?コンサート好きです
すごく楽に身近に感じられて楽しめます
ビオラというのもいいですねー
お忙しそうですのに↓のお花を楽しまれ音楽にも触れられ
水泳教室に行かれて充実されていますね
Commented by Deko at 2017-04-19 19:16 x
イギリス情緒たっぷりのおしゃれなコンサートでしたね。8歳から25歳までイギリス育ちとの事ポスターを見た感じでは繊細な少年のような男性ですね。ワンコイン誰もが気軽に音楽に親しめる
よい事ですね
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-04-19 23:20
☆ haru_raraさん

あらそうなんですか。
お父様が「ダニー・ボーイ」が好きなのですか。
それはよかったです!
私も好きで YouTubeでいろいろ探したのですが、
このケルテック・ウーマンの歌声がいいなぁと。
ヴィオラのちょっと低音な柔らかい響きで弾かれるこの曲がいい感じでしたよ。
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-04-19 23:59
☆ sternenliedさん

そうですね。
日本人に馴染みの曲が多いからかもしれないですね。
いいでしょう?
このコンサートホールは、神戸の震災後被災された人たちを励ますために建てられたので地域へのサービス(?)という意味があるのかもしれないと思っています。もちろん、クラシック音楽を普及させたい、若手の音楽家にできるだけ多くの演奏経験をさせてあげたいという目的もあるかと。理由はどうあれ、聴く方は500円というワン・コインで良質な、さまざまな音楽を聴けるというのはとっても嬉しいことです。2000人入る大ホールがほぼ満席でした。やめられません(笑)


Commented by PochiPochi-2-s at 2017-04-20 00:06
☆ jarippeさん

そう、ヴィオラというのがいいでしょう?
以前、マリンバの演奏会もありましたよ。
歌だけの時もあります。
さまざまなジャンルの音楽を普及させたい、また若手にたくさんの演奏の機会を与えたい
という目的もあるようです。
とにかく聴く方にとってはありがたいコンサートです。
いつも会場は満席で、和やかな雰囲気です。
花を育てたり、世話をするのは好きですが、水泳はいまひとつ…
平泳ぎもまともにできないのに、バタフライの導入とはこれいかに???です😓
まあスキーと同じでいろいろと試しているうちにできるようになるのかなぁ〜と。




Commented by PochiPochi-2-s at 2017-04-20 00:15
☆ Dekoさん

なんだかハルちゃんのような雰囲気でした。
30歳ぐらいかな。大フィル(大阪フィルハーモニー)の他に
岡山大学のオーケストラの指導もしているらしいです。
学生たち大喜びだろうなぁと思います。
若いっていいですね。
イギリス情緒たっぶりの、イギリスを感じる一時間でした。
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by PochiPochi-2-s | 2017-04-18 20:41 | 音楽 | Trackback | Comments(8)

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