桜吹雪

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先週の金曜日から降り続いた雨が止み、ひさしぶりにお日さまが顔を出した。
朝 肌寒く感じたが、午後からは少し暑いなぁと感じるくらいの陽射しになった。

絵の教室へと向かう阪急電車の車窓から、
満開の桜でピンク色に染まった五月山が見えた。
17年前の春 4月なかばも、五月山の3万本の桜は風に吹かれ、いっせいに花びらを
散らし、まるで桜吹雪のように宙に舞っていた。

その年もいつになく寒い春で、今年のように桜の咲くのが遅かった。
4月初め、実家の奥の和室には桜が咲くのを待ちわび、庭のハナミズキの花がやっと
ほころび始めたと喜ぶ母がいた。
前年の12月20日、母は待ち望んでいた80歳の誕生日を迎え喜こび、翌年の春の、当時下の弟が住んでいたアメリカ・ロスアンジェルスへの旅行を楽しみにしていた。
しかし、その4日後突然倒れ、病院に搬送されたのだった。CICU (coronary intensive care unit : 冠集中治療室)から普通病室に移り退院するまで2ヶ月あまりかかっていた。完治ではなく一応手続き上の退院で、倒れれば再び再入院ということだった。
3月初め母が退院した頃、運悪く高2だった次男の左足の骨にひびが入り、私が彼の通学の送り迎えをしなければならず、毎日母のことが気になりながらも なかなか思うようには和歌山の母のところへ行けない日が続いていた。
4月10日過ぎ 突然父から電話があった。再び母が倒れ病院に搬送されたと。
急遽駆けつけた病院の廊下で会った父の辛そうな、寂しそうな顔を今でも鮮明に思い出す。戦後の苦しいなか、共に力を合わせ、生活のために一所懸命働いて子供3人を育ててきた“戦友”とも言える妻が自分より先に逝ってしまうかもしれないというなんとも言えない苦しい、寂しい気持ちがありありとその表情に現れていた。
翌日 母は亡くなった。
お葬式が終わった次の日、何故か山一面に咲く桜を見たくて五月山まで見に行った。
当時、そこには3万本の桜の木が植えられていた。
散り始めていた満開の桜は風に吹かれ、まるで花吹雪のように宙に舞っていた。
いつまでも心に残る、印象深い光景であった。
「母は この桜の散り際のように、潔く、みごとにこの世から去って行ってしまった
なぁ」
なんとも言えない寂しさで胸がいっぱいになったのだった。
今日4月12日は母の祥月命日の日だった。
あの時からもう17年の年月が経つ。
「もう一度母の声を聞き、母と話をしたい」と頻りに思う自分に時々はっとする。





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Commented by jarippe at 2017-04-13 08:43
お母様と桜 深い想いがおありなんですね
その時の次男さんの怪我 お父様への思い・・・・
何故か大切な時ってことが重なりますね
拝見していて自分の母の時のことあれこれ浮かんできました
母親っていつまでたっても母親ですね 
会いたいです声が聴きたいです
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-04-14 11:10
☆ jarippeさん

Jarippeさんも同じですか?
母の生前はそれほど仲のいい母娘ではなかったのですが…
どちらも自我が強く、よく衝突しました。
でも、私の好きなようにさせてくれたのも母なのですがね。
今はその時の母の気持ちがよくわかり、
今だったらもっといろいろと話せただろうなぁと思っています。
後悔先に立たずですね。

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by PochiPochi-2-s | 2017-04-12 22:50 | 思い出 | Trackback | Comments(2)

生きている喜びを感じられるように生活したい


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