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東山魁夷の絵を見に

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東山魁夷『清晨』
(購入した絵葉書より)



「次の土曜日か日曜日に東山魁夷の絵を見に行こうか?」
2、3日前に主人に誘われていた。
BBプラザ美術館で開催されている美術展のパンフレットがおかれていた。
『自然と人間 〈日本画との対話〉』
「おもしろそうな企画だなぁ。しかも 兵庫県立美術館の近く。行ってみたいなぁ」
そう思い、その時パンフレットを貰ってきていた。
土曜日のBS「エルキュール・ポワロ」はどうしても見逃せなかったの(大のポワロ
ファン!)で、日曜日に三宮でランチ、その後JRで灘駅まで引き返しBBプラザ美術
館へということになった。

パンフレットには次のように書かれていた。

〈日本画との対話〉と題した本展覧会では、自然と人間、その存在との関わりの探求をテーマに、………………………………………………………………………
日本画は、日本の風土や日本人の美意識、精神性によって育まれてきた絵画です。
多くの日本画家たちは、歴史に培われた伝統を受け継ぎながら、常に新しい表現を
切り開き、自然や自身との葛藤を繰り返しながら、今日に至っています。
今展では、四季折々の美しい自然に自らとの接点を築き、
その中に在る人間の存在を描き出してきた画家たちによる珠玉の作品群を紹介いた
します。
私たちの心に寄り添い、時に自己との対話の機会を与えてくれる日本画の世界を
お楽しみいただければ幸いです。

会場は春夏秋冬と分けられ、それぞれの季節を代表する絵が展示されていた。
よく知っている画家、あまり知らなかった画家15名の作品約30点。
全てこの美術館のコレクションだということであった。
一点一点見事な作品ばかりで見ごたえはあった。

小倉遊亀「古つぼと花」・ 東山魁夷「五月の山」「清晨」・ 山本大慈「牡丹」
加山又造「夜桜(春宵)」・ 平山郁夫「法隆寺」「東大寺南大門」
上村淳之「鶴」2点 「鴫」2点・ 奥田元宋「秋山雨収(奥多摩湖)」「遠山白雪」
などが印象に残った。(残念ながら写真撮影禁止なので、ホームページからどうぞ)
中でも、やはり東山魁夷の「清晨」と山本大慈の「牡丹」、上村淳之の「鶴」「鴫」
には魅了されてしまった。
しばらく絵の前にジーっと立ったままで動けなかった。
見入ってしまった。

東山魁夷は学生時代から今日に至るまで一番好きな画家。
何故好きなのだろうかといつも考えるのだが、よくはわからない。
好きだということに理由はいらないような気がする。
ただ、彼の描く絵の色調が好きなのかもしれない。
それと彼の書く文章が好きなのだと思う。
絵を見ていると、今までに彼によって書かれた文章を思い出す。
たとえ そのとき見ている絵と何ら関係のない事がらであっても、
文の中で書かれた彼の絵に対する考え方、表現方法などを思いだす。
「風景との対話」は、それこそ就職した年に買い、その時以来何度も読み返した本。
初めて貰った給料で、当時としては分不相応な高価な画集も買い、
うれしくて 毎晩 アパートで一人楽しんでいたのを思い出す。
この『清晨』をじっと見ていると、さまざまなことが心をよぎった。
そして、何だか静かな、清らかな、優しい気持ちになったのだった。

山本大慈の「牡丹」には、それこそ、心の底から見とれて。しまった。
絵の前から動くことができなかった。
その透き通るようなやわらかな花びらの描き方が、何ともいえず魅力的だった。
オーガンジーのような、向こうが透き通って見える透明感のある描き方。
優しいひらひらとした花びらの表現。
どうしたらこんな風に描けるのだろうかと、感動するとともに考え込んでしまった。
「もしこんな風な描き方ができれば、蝋梅の花も上手く描けるのになぁ」
出るのはため息ばかりだった。
諦めきれず、何度も何度もその絵に前に戻っては見入っていた。

上村淳之の「鶴」と「鴫」各2点。
その上品さと、野生の鳥の持つ目の鋭さに惹かれてしまった。
キリッとした、注意を払ういい目線だった。
地面を覆った雪の描き方も。
ああこんな風に描くのかと、ここでも見とれてしまった。

平山郁夫の「法隆寺」の絵も心に残った。
やはりあの独特の青い色が何とも魅力的だった。

日本画の良さがだんだんと分かってくるような年齢になってきたのかもしれない。
今使っている透明水彩絵の具とはまた異なる顔彩のもつ優しい色彩に魅かれる。
静かなそれでいて深みのある優しい色。
日本の風景、風物を描くのに適しているのかもしれないと思った。
先日の小磯良平記念美術館で見た洋画家たちの描く洋画(油絵)とはまた違った、
心の隅まで染みいるような優しさに包まれた時間だった。

いい一日を過ごせたなぁと、満足して電車に乗ったのだった。

※ シニア料金が適用され、入館料200円。(65歳以上を証明するものを提示)



帰りに買った一筆箋
小倉遊亀さんの『古つぼと花』
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ランチのあと、
いつものように元町の神戸大丸まで歩き、
7階の美術画廊に立ち寄った。
神戸に来たときの楽しみの一つ。
いつも思いがけない美術品の展示があり、
楽しい時間が過ごせる場所である。

昨日は
期末絵画特別セールが開催されていた。(1/25〜2/7)
有名な画家たちの絵が所狭しと並べられていた。
もちろん手が届くような値段ではない。
絵そのものだけに集中して楽しめることは本当に嬉しかった。
BBプラザ美術館で見た上村淳之の『鶴』や
毎年カレンダーで楽しんでいる小田切 諭の風景画もたくさんあり、
心豊かな時間を過ごせた。
また
今まで全く知らなかった
ミッシェル・ドラクロワの絵に温かさを感じ、
しばらく見入った。


《Web site より ミッシェル・ドラクロワの絵》
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《会場で貰った案内葉書より》
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また、途中の画材屋さんに寄り、
絵の具の下見をしたり店頭に置かれているスタンドの
絵葉書を見るのも楽しみの一つ。

何枚か絵葉書を購入した。
どの絵葉書をどの人に出そうか?
考えるのも楽しいことの一つである。


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朝から小降りになった雨の中プールへ行ってきた。
先週よりまた少し頑張れた。
パスしたのは一度(25m)だけだった。
途中で立ってもいいからと思い、できるだけみんなについて泳いだ。
また、教える先生が変われば、教え方も変わる。
平泳ぎの足の使い方は目から鱗だった。
ずいぶん楽になった。

スキーも
いろんな滑り方で滑っていると、
いつの間にか滑れるようになっていた。
また来週頑張ろうと思った。
次回の目標は
みんなと同じ回数泳ぐこと。



Commented by jarippe at 2017-01-31 06:56
いいですねー 東山魁夷
いつ見ても 引き込まれますね
季節ごと山を見ては
東山魁夷の絵を想像しています
どこまで奥深い絵なんでしょう
顔彩と透明水彩絵の具
先日イチゴを二つの絵の具でかいてみたんです
色の出し方が全然違って・・・・・ 教えてください
Commented by PochiPochi-2-s at 2017-01-31 20:53
☆ jarippeさん

まあjarripeさんも東山魁夷の絵が好きですか?
長野には彼の絵の美術館がたくさんありますね。
近いうちに行って見たいなぁと思っています。
学生時代から好きで、彼の書いた随筆も好きです。

私は透明水彩だけしか使ってないので、
顔彩は全くわからなのですよ。
顔彩を使っている友人に聞いて見ますね。
透明水彩は、薄い色から何度か塗り重ね、
自分の出したい色にするのだけれど…
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by PochiPochi-2-s | 2017-01-30 16:18 | 絵画 | Comments(2)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s