ふっと心をよぎった。
先日 用があり、近くのイオンショッピングモールへ出かけた。
帰り際 本屋さんに立ち寄った時だった。
『50歳からの
楽しい楽しい「ひとり時間」』という文庫本が目に入った。
パラパラとめくって読んでみると、
第1章が「自分らしく生きる"魔法の時間"」という題の章だった。
「ひとりの時間」は、生きていくうえで非常に大切なものである。
自分の人生を振り返ってみると、父母や兄弟姉妹、夫や子供、友人などと過ごした、数々の幸せな時間の思い出が浮かんでくる。
しかし、ひときわ光を放ち、人生を価値あるものにしてくれているのは、自分ひとりで豊かに過ごした、自分のための充実した「ひとりの時間」の積み重ねである。
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人との関係にちょっと疲れたとき、朝から晩まで雑事に追われて息つく暇もなく、自分を見失いそうになったとき、「ひとりの時間」が持てれば、自分本来の姿に立ち返って、ほっとひと息つくことができる。
そして、心のエネルギーが回復して、また明日も、人生に立ち向かう勇気が湧いてくる。「ひとりの時間」には、そんな役割もある。
時間というものは無限大にあるが、「ひとりの時間」を持つというのは、それを独り占めすることであり、自分だけのものにすることである。
「ひとりの時間」を充実して過ごすとは、気に入りの音楽を聴きながらコーヒーを飲むたった15分の時間でもよい。何かを学ぶのにあてる2時間でもよい。
時間はどのくらいという基準も、どのようなことをして過ごすかというきまりもない。人それぞれ、自分が大切に思うこと、とびっきり素敵な気分になれること、楽しくて夢中にすぎてしまうようなことにあてる時間である。
どんなに忙しくても、このような時間をもつのは大事なことだ。
読んでいてなにかしら心に響くものがあった。
主人が退職後、再任用、非常勤と7年間勤めた後 完全退職をしてからもう3年経つ。
3人の子どもがそれぞれ独立し家を離れてから主人が完全退職するまで、
私にはかなりの「ひとりの時間」があった。
父母、義母もすでに亡くなり、時間だけはたっぷりあった。
しかし、この3年間、今まで 日中 家にいなかった人がほぼ毎日家におり、自然と一緒に過ごす時間が多くなった。職業上、昔から休みは多く、子供達が小さかった頃 長い夏休みには家にいることが多かった。それ故退職したからといって何も変わらない、主人が家にいるということはあまり気にはならないだろうと軽く考えていた。
最初はよかった。今までひとりで過ごしていた時間を2人で話しながら一緒に時間を過ごすのが楽しいくらいだった。しかし、そのうちにその時間がなんとなく鬱陶しく感じることが多くなってきた。なんとなく束縛感を感じるのである。振り返ってみると、ひとりで出かける時間、ひとりで自動車を運転する時間が極端に少なくなっていた。
「こんな状態でいいのだろうか。昔はもっと活発に出かけていたのに…
自分ひとりで運転していたのに… もっとひとりで出かけたい」
たまたま出会ったこの文章を読み、
この3年間の自分の生活をあらためて振り返ることになった。
そして 今の自分の気持ちを考えさせられたのだった。
これからは、今よりもう少しだけ「ひとり時間」を多くしよう。
もう少しだけ、やりたいことを自分ひとりでやってみよう。
昔のように。
そう思うとなぜか心が軽くなった。
《柚子マーマレードのパウンドケーキ》
午後、久しぶりにケーキを焼いた。
たくさんの柚子を送っていただき、たくさんの柚子酢とマーマレードができた。
このマーマレードを使って初めてのマーマレードパウンドケーキを焼いてみた。
抹茶パウンドのレシピの分量を参考にして。
まだまだ試行錯誤が必要だが 、柚子の香りがし味はおいしかった。
紅茶とともにいただいた。