* 初めに *
まだ収束する気配もない熊本地震。
その中で気丈に、健気に生活される人々。
一日も早く余震が収まるように祈るばかりです。
次のところに訪ねてください。
http://nature21.exblog.jp/24312511/
http://weloveai.exblog.jp/25530176/
よろしくお願いします。
*
「わぁ、やっぱり8頭身や。立ち姿、きれいなぁ… 」
百済観音
(撮影禁止のためwikipediaから拝借)
今月初め頃、
〈4/12〜5/18迄、
百済観音が一般公開される〉と知り、手帳にメモしておいた。
その時以来 、「法隆寺に行って百済観音を見たいなぁ」とずーっと思い続けていた。
「今日出かけようか。
天気もいいし、何も予定がないから行こうか。
久しぶりに一般道を通って行くのはどうかな?
時間はたっぷりあるし、そのうえ、懐かしい」
《自動車の中から撮影したアベノハルカス》
新御堂筋を走り、梅田から阿倍野周辺まで一気に大阪市内を縦断。
四天王寺近く、アベノハルカスが目に飛び込んできた。
今日はきれいに見えた。やっぱり高い!
続いて四天王寺の交差点を左折。杭全交差点の方へ進む。
《四天王寺参道入口の鳥居》
寺田町、平野を通過し、八尾の方へ国道25号線を進む。
懐かしい場所を思い出しながら、おしゃべりが続く。
JR大和路線の電車や大和川にかかる鯉のぼり、新緑の山を見ながら一路法隆寺へ。
途中、遠くに二上山が見える。
《法隆寺》
「ええっ、こんなにきれいかった?
なんか昔のイメージとは違うんやけど。こんなきれいな土塀はなかったし、
もっと広々としていて、もっと古びた感じだった… 崩れた土塀があちこちに…
変わったわ」
最後にここに来たのは、結婚したばかりの頃。その時から40年余経ったことになる。
日本で初めて世界遺産に指定されたこともあり、その変わりようには驚いたが、こん
なにきれいになり、整備されるのはまた違った意味でいいことだとも思った。
幸運にも、夢殿本尊の特別開扉(4/11〜5/18)にも巡りあえた。
《五重の塔》
法隆寺にはたくさんの宝物がある。
なかでも、百済観音、夢違観音像、玉虫厨子、金銅阿弥陀三尊像を本尊とする橘夫人
厨子、百万塔、九面観音像、天人が描かれた金堂小壁画等々。
今、これら全てが 大宝蔵院で公開されており、かつて日本史や美術の教科書で習ったものの実物を直に心ゆくまでじっくりと鑑賞できるのは幸運だった。
写真ではなく、実際に目で見て楽しめるということは本当にすばらしい。
「みんな、玉虫厨子をよ〜く見て、観察したか?
そうかそうか、それやったら 次に行ってもいいよ」
中年の男の先生が生徒たちに盛んに話しかけていた。
どこかの学校の遠足か修学旅行だと思う。
《西院伽藍の回廊》
次に夢殿に行ってみた。
《夢殿》
《夢殿本尊・救世観音像》
開扉されていない時のために撮影された特大パネルが案内所横にかけられていた。光が反射して苦労したが、なんとか撮影できた。
八角円堂の中央の厨子には聖徳太子等身の秘仏救世観音像が安置されている。周囲には、聖観音菩薩聖徳太子の孝養像、行信僧都像などが安置されている。偶然行き合わせたのだが、夢殿が開扉されていたのは、本当に幸運だった。この救世観音像を見てお拝める幸せを思った。
このあと すぐ隣にある中宮寺にも足を運んだ。ここには半跏思惟像として有名な如意輪観世音菩薩と国宝の天寿国曼荼羅帳のレプリカ(本物は奈良国立博物館で保存)が安置されている。
《中宮寺》
半跏思惟像(如意輪観世音菩薩) - 購入した絵はがきより -
この時、高校の日本史の授業で二つの半跏思惟像があると習ったことを思い出した。一つは京都広隆寺の如意輪観世音菩薩、もう一つはこの中宮寺の如意輪観世音菩薩。まるで日本史の授業を受けているような感じだったが、これほどすばらしい仏像が間近で見ることができることの有り難さを思わずにはいられなかった。
庭にハナズオウが咲いていた。
修学旅行の高校生や中学生、あるいは遠足で来てきた京都からの小学生のグループ
が熱心に、行儀良く見て回っていたのにも驚いたし、フランス人のグループツアーも
来ていたのにも驚いた。でもまだまだ人は少なく、ゆっくりと見ることができた。
最後に、あまり行く機会のない法輪寺にも行ってみようと、
ハイキング気分で法隆寺から村の中を通って歩いた。
途中の景色は田舎の景色そのもの。のどかで平和。
やっと法輪寺に到着。
《法輪寺(尼寺)》
ここまで歩いてくる人はさすがに少なかった。
ここのお寺にもたくさんの平安仏と斑鳩三塔の一つの国宝三重塔がある。
《三重塔》
仏像は、
薬師如来坐像、虚空蔵菩薩立像、十一面観音菩薩像、弥勒菩薩立像、地蔵菩薩立像、
吉祥天立像、聖徳太子二歳像、聖徳太子十六歳像等々。
歩いてきてよかったなぁと思うお寺だった。
もしこの後もう少し歩けば 法起寺まで行くことができたのだが、帰りの時間もある
ことなので次の機会にとっておくことにし、来た道を法隆寺まで戻った。
駐車場横のお店で買って食べた柿ソフトクリームが意外とおいしく感じられた。
自動車を降りてから再び乗るまでに歩いた歩数は、18,536歩。
よく歩いたわ。法起寺まで歩いていたら、おそらく20,000歩は超えていただろう。
帰りは途中から中央環状(近畿道の下を走る環状道路)を走り吹田まで帰ったので、
意外と早く家に着いたのには驚いた。
本当に宝の宝庫だと思わざるをえないほどすばらしい仏像に出会った一日だった。