人気ブログランキング | 話題のタグを見る

懐かしいなぁ〜

「わぁ 懐かしいなぁ〜 あの時は、怖いもの知らずやったけど楽しかったなぁ」

昨夜の『BS6・世界魅惑の鉄道旅行』は、スイスのチョコレート列車の旅だった。

懐かしいなぁ〜_b0344816_21480317.jpg
(Bingから借りました)


電車は、ジュネーブからレマン湖に沿って走り、 ローザンヌ、モントルーへ。
モントルーからパノラマカーのチョコレート列車に乗り換えチーズとチョコレート
の街・グリュイエールへ。

ジュネーブを出た列車は、ローザンヌ駅ホームに停車した。
「わぁ 懐かしい!」
記憶はすぐに33年前(1982年)に飛んだ。

当時、私たち家族は、夏休みを利用しての西ヨーロッパ一周旅行の途中だった。
預金全部を通帳から引き出し、帰国後の生活費は帰国直前に入っているであろう
8月分の給料があると、只々「ベルリンの壁を見たい」「当時の人間の鎖に代表されるヨーロッパの雰囲気を肌で感じたい」という一途な大人だけの思いで、大胆にもヨーロッパに飛び出したのだった。小学校1年生と幼稚園年少組の二人の小さな子供を連れて。彼らには大迷惑な話だった。

パリでの滞在の後、パリからリヨンを通り、アルプスを越えローザンヌに入った。
パリを立つ時、親切なイタリア人に勧められ、モントルーに泊まる予定だった。

ホテルを決めていなかったので、駅の案内所でたずねると、親切にも青年がすぐに
紹介してくれた。ホテル・ヨーロッパ。この旅行中で一番豪華なホテルだった。


懐かしいなぁ〜_b0344816_22513319.jpg
ホテルヨーロッパの窓から見たモントルーの街
33年前のモントルー駅ホーム


3泊ぐらいするつもりだった。
翌日は、まず主人がぜひ行きたかったローザンヌへ電車で行くことにした。
大学の卒論でヘミングウエイについて書いた彼は、『武器よさらば』のラストシーン
であるローザンヌのウシー港にぜひ行ってみたかった。

「湖の向こう岸、イタリア側から 小さなボートを漕いでここまで逃げてきたのか…」
彼の感激もひとしおだった。しばらくは物も言わず、じっと湖を見つめていた。


懐かしいなぁ〜_b0344816_22052045.jpg
ウシー港桟橋・ローザンヌの街かど
モントレーの駅前 coopで買い物


雨だったが、ローザンヌはとっても美しい町で、人々は親切だった。
途中立ち寄ったレストランで、オーナーの老婦人は、寒さで震えていた子ども達に
温かいミルクを出してくれ、お土産にとスイスの三角チョコレートをくださった。
彼女の温かい思いやりは、ローザンヌの名前と共に いまだに懐かしく思い出す。
今の家を建てた時、家の正面の雰囲気を、ローザンヌで見た、私の気に入った家の
ようにしたいと思い努力した。20年経って、やっとそのようになってきたかな?


懐かしいなぁ〜_b0344816_22522367.jpg
シロン城


翌日は湖の船着場からボートに乗り、シロン城まで行くことにした。
バイロンの詩で有名な中世の城。城の中には牢獄があり当時の武器がたくさん展示
されていた。初めて見る中世の城に少々興奮しながらも、楽しい時間を過ごし、再び
ホテルへ。思いの外、格式の高いホテルだった。夜は、受付の若い女性まで正装を
していたので、子連れの私たちは、うっかりロービーに降りて行けないような雰囲気
だった。後でわかったことなのだが、受付の彼女は、駅でホテルを紹介してくれた
青年の恋人だった。

「ヨーロッパのホテルって、全部、こんなんなん?」

初めての経験で戸惑うばかりだった。パリの安ホテルとは雲泥の差だった。


懐かしいなぁ〜_b0344816_23390790.jpg
パノラミック電車の車内、車窓からの景色、
スピーツ駅ホームでの親子の語らい、途中の駅


モントルー滞在の後はグリンデルワルトへ行く予定だった。
モントルー駅からパノラマ電車で山に登り、スピーツヘ。電車を乗り換え、インター
ラーケンへ、更に乗り換え、グリンデルワルトへ。

このパノラマカーがチョコレートトレインと呼ばれ、観光名所の一つになっている
とは思いもよらなかった。また、モントルー駅は近代化され、新しいきれいな駅に
なっていた。30年余りの年月の流れを今更ながら感じざるを得なかった。

私のアルバムの中の写真はどれもセピア色の世界に属するものになってしまった。

一ヶ月余りの旅行の後、主人は自分の担任クラスの生徒に向けて、「学級通信」と
いう形で旅行記を書いて配った。挿絵は子供2人に順番で書いてもらった。
意外と生徒と父兄に人気があったのには驚いたものだった。
また、長男は、旅行中、「あのね日記」を毎日書いた。
担任の先生の粋な計らいで、毎日日記を書くことを約束にその他の宿題は全部免除
してもらっていた。しかし、字を覚えたての彼にとってはこの上もなくしんどい
宿題であったようだ。毎日書く内容に苦労していた。


懐かしいなぁ〜_b0344816_23004231.jpg
《あのね日記》

ひらがなをやっと書けるようになった長男の“あのね日記”
「せんせいあのね」で始まる
毎日、何を書こうか悩んでいた
時には妹に「お兄ちゃん、早く書かんと」と、急かされながら…
カタカナが書けなかったから
書かれた字はすべてひらがなだった


懐かしいなぁ〜_b0344816_23002352.jpg
シロン城

懐かしいなぁ〜_b0344816_22040989.jpg
モントルー

懐かしいなぁ〜_b0344816_07563682.jpg
ローザンヌ



いつかまた訪ねたい場所だった。

子供たちもそれぞれ父と母になり、私たちも2人だけの毎日。
でも、共通の思い出があるというのはいいことだと、
テレビを見ながら改めて思った昨夜だった。

もう一度、今度は2人だけで訪れてみたい気がする。


Commented by Deko at 2015-05-21 18:47 x
1カ月とはすごい豪華旅行ですね。名所旧跡を色々訪ねられたのですね。小さい子供を連れての旅だったのですね。その頃の事を子供たちは覚えておいででしょうか?我が家の子供たちは昔の事はすっかり忘れ日本大好きな大人になってしまいました。
Commented by PochiPochi-2-s at 2015-05-21 19:42
Dekoさま、

決して、豪華旅行ではなかったです。ユーレイルパスを使った
ケチケチ貧乏旅行でした。全くの自由旅行で、ホテルも決めて
ませんでした。その街が気に入れば、しばらく滞在し、その後
移動するという。決まっていたのは、帰国日とロンドンから帰る
ということだけでした。ありったけのお金を全部引き出し、行き
ました。“行くか行かないか”の気持ちの問題でした。“行きたかった」
のです。帰ってきた時の手持ちのお金が、その月(8月)の振り込まれて
いた給料だけでした。当時、学校の先生は、ほぼ1ヶ月余りの夏休みを
取れましたので。主人の学校でも、若い先生たちはよく行ってました。

当時の西ヨーロッパは、ほぼ回ったように思います。帰りはロンドン、
ヒースローから帰ってきました。
子ども達は、よほど印象に残ったこと以外は、ほとんど覚えていない
ようです。大人が、写真を見せ、話をするので覚えているように
思っているのですが、実際のところは、「?」です。
ただ、二人とも、大学に入ったとき、イタリア、スイスを1ヶ月かけて
旅行してました。

《我が家の子供たちは昔の事はすっかり忘れ日本大好きな大人に
なってしまいました》
昔、海外駐在されたのですか?
Commented by nagotu3819 at 2015-05-23 09:05
我が家も教職関係です。
子どもが中3の夏に、40日間夫の赴任先に訪問。アメリカでした。
夫と一緒に初めからついて行きたかったのですが、子どもからの反対があって、1年間の滞在を辞めて子どもの夏休みだけを利用して、子どもと私がのんびりと夫の滞在先ロスに行きました。
やはり行って良かったです。
ドナウは次の旅行と考えていたのですが、本の出版などに化けてしまったのです。ちょっとお笑い?ものですよね。
Commented by PochiPochi-2-s at 2015-05-23 21:22
nagotuさま、

海外赴任も、子供の年齢によっていろいろ難しいことが起こる
みたいですね。特に、子供の言語習得や学校関係で。東京に住む
弟の家族もそうでした。10年のアメリカ滞在で、上の子の日本語
が怪しくなり、未だに困っています。英語なら問題はないのですが。

一ヶ月ぐらいの滞在が一番いいかな。
楽しい時間を過ごせた、楽しい思い出ができたという喜びで終わる
ことができますから。

ドナウはいいですよ。
もし行かれる機会があれば、旅行は、ぜひ、ドナウエッシンゲンから
スタートしてくださいね。ドナウ川の水源があり、ここからドナウ川
が始まります。シュツットガルトとウルムの間にあります。
宮本輝の『ドナウの旅人』お薦めです。
Commented by nagotu3819 at 2015-05-23 23:01
ドナウ……憧れです。
ドナウウェッシンゲンですね、メモしておきます。

「お笑い」というのは、お粗末な話ですが、旅行費用という密かなもくろみがあったのよ。それが本の出版の方に気が変わったという話しを、主宰につい言ってしまったのです。そうしたら、主宰が本の題名をこうしたらどうだろうと提案され、うなづいてしまったの。
お笑いを取るような、お話でしょう?
人生と川の流れ…、これは誰でも川を眺めていると思うことよね。

Commented by PochiPochi-2-s at 2015-05-24 15:47
そよぎ様

「お笑い」ではないと思いますよ。
旅行は行こうと思えばいつでもいける、しかし、本の出版ともなれば、その“適切な時期”があるのではないでしょうか?素人の私にはわかりませんが… いいご判断だったと思いますよ。

人生と川の流れ。そうですよね。
プラハに行きたかったのも、ヴルダヴァ(モルダウ)河をぜひとも見て見たかったから、そして、カペル橋を自分の足で歩いて、チェコの人たちの気持ちを考えたかったからです。またスロヴァキアのブラチスラバに行きたかったのも、オーストリアとスロヴァキアの国境を流れているドナウ川の川幅を見てみたかったからです。当時共産国であったチェコスロバキアからですオーストリアへこの川を泳いで渡り逃れようとした人たちがたくさんおり、見つかって銃撃され亡くなった人もたくさんいたらしい。小説「プラハの春」の中でも出てきます。実際、この目で見てみたかった。私の旅行の動機はたいていこのようなものです。

ドナウに憧れたのも、宮本輝の「ドナウの旅人」が動機。
ドナウエッシンゲンからブルガリアの最果ての地、黒海に流れ出る河口までの旅行。いいですよ。
ぜひドナウへ行ってみてください。
名前
URL
削除用パスワード
by PochiPochi-2-s | 2015-05-20 22:30 | 旅行 | Comments(6)

生きている喜びを感じられるように生活したい


by PochiPochi-2-s