「この本読んだ? まだだったら貸してあげるよ」
全く知らなかったし、勿論読んでもなかったので、友人が貸してくれた。
本の題名は、
(片野 優・須貝 典子 共著)
「ええっ〜? 何で? どうして?」
「音楽や芸術をはじめ、ヨーロッパの様式に憧れる日本人は多い。けれど実は、ヨーロッパの多くの国は日本人に好意を抱き、逆に憧れすらも抱かれている」
ということらしい。
著者は二人とも1992年からヨーロッパの各地に住み、さまざまなヨーロッパの人たちと交流をし、ヨーロッパの各地を訪問・取材し、歴史や文化、環境をテーマとした
情報・記事を発信している。
この著書の《はじめに》より
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昨今、ヨーロッパでは「クールジャパン」と呼ばれて久しく、19世紀にフランスの
芸術家のモネやマネが日本の伝統文化に影響を受けた“ジャポニズム”以来の新たな
日本ブームが巻き起こり、すでに定着しつつある。
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『ドラゴンボール』『遊戯王』「機動戦士Zガンダム』などは、ヨーロッパでも絶大な人気を誇るアニメで、登場人物に扮するコスプレ大会も盛んだ。小説ではノーベル文学賞受賞者の川端康成、三島由紀夫や村上春樹。映画では黒澤明、宮崎俊、北野武の作品は根強い人気がある。食では、全欧制覇した「SUSHI」を「RAMEN」が追いかけている。
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ヨーロッパ人が憧れる日本や日本人の素晴らしさとはいったいなにか、……………
また、日本人がもっている美徳を再発見することで、明日はちょっと背筋を伸ばして
胸を張り、心軽やかにお出かけいただければと願う。
いくつかの国を選んでみた。
【ポーランド】
心から「日本人になりたい」と願い、“桜の国”を愛する欧州一の親日国。
地理的には遠く離れていても、心の距離は「ロシアをはさんだ隣国」との意識。
日本語の教育レベルは非常に高く、1919年にワルシャワ大学で日本語講座が開かれたあと、第二次世界大戦後に日本語学科が設けられている。
ポーランド人は好奇心旺盛で、日本のアニメや漫画が大好き。
古くは『アルプスの少女ハイジ』『みつばちマーヤの冒険』『楽しいムーミン一家』
『科学忍者隊ガッチャマン』から最近では『ドラゴンボール』『ポケモン』『となりのトトロ』『紅の豚』『もののけ姫』などテレビ放映されている。
ワレサ大統領が、「ポーランドを第二の日本にしよう。我々は第二の日本になりたい。普通の日本の市民が体験している明るさ、自由、豊かな暮らし、そういうものがポーランドにほしい」とスピーチをした。
20世紀の初頭、ロシア革命中にシベリアに流された子どもを、日本が受け入れた。
その時のポーランド人の感謝の念は色褪せることなく、阪神・淡路大震災のときには
日本の子供をポーランドに招待してくれた。
【スペイン】
日本人を最も優れた民族と讃え、人々は日本アニメを楽しむ。
キリスト教を布教するため、日本に最初にやって来たフランシスコ・ザビエルは日本人を慎み深く、才能があり、友情に篤く善良で、名誉を尊ぶと記録している。
また武家の連歌、茶の湯、舞、楽器演奏、庶民の読み書きそろばん等の教育水準の高さに感嘆し、さらに「今まで知り得た限り、この国民は私が出会った民族の中で最も優れている」と報告している。
次のようなエピソードがある。
「神の子キリストを信じれば天国に行ける」との説教に対し、日本人は「では、私たちの祖先は今どうしているのか、地獄に落ちたのか」と訊いた。洗礼を受けていない人は地獄に落ちるという教えをもとにザビエルが穏やかに肯定すると、「その神とは全能というのに、ずいぶん無慈悲で無能ではないか」と反論された。そのこともあってか、ザビエルは「日本人は文化水準が高く、立派な宣教師でないと布教に苦労するだろう」とローマ法王に胸の内を吐露している。
【イタリア】
「私は半分日本人。日本に恋している」といったサッカー日本代表のザッケローニ元監督。彼は、日本人には「秩序・団結力・人を思いやる心が備わっている」と賞賛を惜しまず、「教育、しつけ、清潔さのすべてが素晴らしい。物価は二倍でも、払うのが気持ちいいくらいだ」と絶賛した。
彼はまた「日本人の意識の根底にあるのは、他人に迷惑をかけないことにある」と分
析している。一流プレーヤーでも練習が終われば自分のシャツやスパイクをバッグにしまって自分で持って移動する。また試合に勝ち凱旋帰国する際も、空港のベルトコンベアーで運ばれてくる手荷物カウンターの前で、自分のものだけでなくチームの荷物までおろしている選手を見て感動を隠しきれなかったという。まるで「倉庫の作業員のように働く」生真面目な選手は、イタリアではもちろんヨーロッパではほとんど見かけない。だから当の日本人選手には当たり前のことであっても、ザックにとっては衝撃的な光景であったようだ。
他にもおもしろい国がたくさん載っていた。
全部で「ヨーロッパ27カ国から見た日本人」について書かれている。
最後に以下のように書かれている。
【BBCワールドサービス主催の「世界にポジティブな影響を与える国(2009年)」で
は21カ国・地域中、日本は58パーセントを獲得してナンバーワンに輝いたが、当の日本人は「自国への信頼と誇り調査(英紙『エコノミスト』/2009年発表)で、33カ国
中最下位だった。つまり、日本人は世界各国から素晴らしい国だと評価されている
のに、極端に自己を過小評価してしまう傾向がある】
私の周りの人たちは どう思うだろうか?
「いま日本からスペインに帰るところです。日本に住んでよかった。何よりも安心し
て生活できる。カバンから大事なものを盗まれる心配もない。四六時中周りの人間に
気を張っていなくてもいい。本当に安心して生活ができるのは素晴らしい」
以前、ロンドンのヒースロー空港で飛行機を乗り換えの時、偶然出会ったスペイン人
の青年が言っていた。
「 I さん、ここはロンドンですよ。そのデイバッグ、背中にかけるのはダメです」
ロンドンに着き地下鉄に乗ろうとした時、友人のラヴィニアが言った。
「日本で一番びっくりしたことは、タクシーに置き忘れた財布が戻ってきたことと、
鍵をかけ忘れた通勤用自転車が帰ってきたこと。南アフリカでは絶対にないことで考えることすらできない。両親に早速メールを送ったわ。日本って素晴らしい国です」
元ALTのNevが言っていた。
「お母さん、カンボジアに帰るにあたり、半年前から計画的に粉ミルクを送っていました。賞味期限を考えて。日本のものは安心安全ですからね」
日本への留学生のセンター・ホアさん夫婦が母国へ帰る直前言っていた。
子供2人の出産も日本でした。「カンボジアに比べて安心安全だから」と言って。
「この明治ブルガリアフルーツヨーグルト、私の国ブルガリアのヨーグルトの比べて
ずっとおいしいよ。幸せ」
随分前、ブルガリアから来た留学生も言っていた。
彼らが口をそろえて言うように、
日本ってそんなに住みたくなるほどいい国なのだろうか?
政治は別にして…